給食アレルギーで腹痛訴えるも症状に気づかず ”思い込みと確認不足”で命の危険も…児童はPTSDで今も給食食べられず
今年9月、新潟県上越市の小学校でアレルギー物質を含む給食を食べた児童が救急搬送された問題で、10月30日に上越市が市議会で経緯を説明した。 思い込みと確認不足が原因だとしている。
上越市議会で謝罪
「食物アレルギーによる事故で児童や保護者・家族の心身に大きな負担をかけたことを深くお詫び申し上げる」 10月30日の上越市議会で市川均教育部長が給食のアレルギー事故について謝罪した。 今年9月、上越市内の小学校で食物アレルギーのある児童にアレルギー物質を含む給食が提供され、児童が救急搬送された。原因は思い込みと確認不足…。
事故の経緯は…
栄養教職員は献立の作成時に「冷凍クリームコーン」に「乳・乳製品」が使用されていないと思い込み、配合成分表を取り寄せずに未確認のまま発注。 その後、調理員も原材料の脱脂濃縮乳の記載を見落としたほか、配合成分表を受け取っていないにも関わらず、リストに確認済みのチェックを入れたという。 給食を口にした児童は腹痛を訴えたが、担任はすぐにはアナフィラキシー症状だと気づけず。その理由について、市川教育部長は会見で「当該校は全ての児童の給食に乳・乳製品を使用しない主菜・副菜を提供していたため…」と説明。
思い込みと確認不足が重なった結果、発症後しばらく経ってからエピペンを投与。救急搬送も遅れ、命を落とす危険もあったという。 児童は今も十分に給食が食べられないなど学校生活に支障をきたしている。 この件について早川義裕教育長は「ケアは私たちが全力を尽くしていくし、こういう事件が二度と起こらないよう教訓に頑張っていきたい」と話した。
上越市は11月にも緊急時の対応研修会を開き、再発防止に取り組むとしている。