在来線トンネル3か所にアンテナ設置へ、最長8分間に及ぶ携帯電話不通を解消…ハピラインふくい
第3セクター鉄道のハピラインふくい(福井市)は、福井県南越前町と敦賀市にかかる北陸トンネル(13・9キロ)などで、携帯電話のアンテナの設置工事を来年度に始めると発表した。同社によると、10キロ以上の在来線のトンネルで工事を行うのは全国で初めてという。
対象は、北陸トンネルと南越前町の今庄トンネル(0・9キロ)、湯尾トンネル(0・7キロ)の計3か所。いずれも電波が届かない「不感地帯」で、北陸トンネルでは通過するまでの約8分間、今庄、湯尾両トンネルではそれぞれ30秒前後の間、電話がつながらなくなる。そのため、トンネル内に携帯電話用のアンテナを設置する。
同社の担当者は「事故や災害がトンネル内で起きた場合の備えとして有効だ」としている。
工事は、携帯電話事業者などでつくる公益社団法人「移動通信基盤整備協会」(東京都)が担い、今年度中に詳細設計を進める。完了時期は未定で、総事業費は二十数億円になる見込み。負担割合は同協会などが2分の1、国が3分の1、ハピラインが6分の1だが、同社は今後、出資する県に財政支援を求めるか検討する。同社の会長を務める福井県の杉本達治知事は18日の県議会本会議で「県民の利便性向上を図るため、必要な支援を行う」と述べた。