故障により開幕絶望…「今年もか…」と漏らしたコトバに込められた藤嶋の深い想いとは?
過去のキャリアを振り返っても、藤嶋健人投手の中で過去一番の順調な仕上がりで進んできた、春キャンプにオープン戦。その最中、怪我をして開幕絶望となった本人の胸中とは…? 【動画】3/24OP戦でサヨナラ勝ち!勝負を決めた三好・田中・中島・細川・ディカーソンのバッティングを振り返ろう!【1分34秒~】
開幕前の悲劇…
「めっっっっっっっちゃ悔しかった。今年もかよ…またかよ…」 プロ8年目を迎えた藤嶋健人投手。オフの自主トレーニング・春キャンプは充実した時間を過ごし、2月中旬の春キャンプの際、「過去のキャリアの中でも一番順調な調整で進められています!」と彼持ち前の明るい表情と声で、今の状態について教えてくれた。そんな中… 3月15日(金)のバンテリンドーム。中日対阪神のオープン戦。8回表のマウンドに上がっていた背番号54に、異変が生じた。 藤嶋投手「ミエセス選手に投げ終わった後、右脚の付け根に違和感がありました。恐る恐る、次の打者にスプリットをそっと投げたら痛みを感じました。力が入らない感覚だったんです」 マウンドを降りてから時間が経つごとに、ジワジワと痛みが酷くなっていき、歩いていても痛む感覚があったという藤嶋投手。翌日の診断結果では「右内転筋損傷」と判明。医師から言い渡されたときの率直な思いは。 藤嶋投手「めっっっっっっっちゃ悔しかった。今年もかよ…またかよ…」 「今年もかよ」というのは、彼は昨シーズンも同じ悔しさを味わっている。約1年前の3月9日ベルーナドームでの西武とのオープン戦。順調にオープン戦で調整を進めていた藤嶋投手は、ベースカバーの際に右太もも裏を痛め、肉離れの負傷離脱を余儀なくされた。 去年に続き、今年も開幕前に怪我をしてしまった。しかし藤嶋投手は、この現実を、むしろプラスに考える方向に向かっていた。 藤嶋投手「正直、怪我をした現実を受け止めたくなかったし、ショックが大きすぎました。ただ、これを前向きに捉えるしかなかったし、前向きに捉えられる過去が自分にはあるんです。開幕前に怪我をしたシーズンは成績が残っている。もう、良いシーズンを送れる予兆だと思うようにしましたよ!」 昨シーズン。藤嶋投手はケガから復帰して、キャリアハイの数字を残した。自己最多となる56試合登板は、チーム最多。防御率は1.07で、28試合連続無失点も記録。自称「便利屋」はブルペンに欠かせない存在だった。