「選手をとっかえひっかえ使っていて“その日暮らし”」 「立浪監督」と「新庄監督」の“差”が開いてしまったワケ
新庄剛志(52)と立浪和義(55)――看板選手だった二人は、2021年オフにそろってプロ野球の監督に就任し、とかく比較されている。 【写真をみる】頭を抱えて口をすぼめ…「もう無理だ」とでも言わんばかりの「中日・立浪監督」
スポーツ紙デスクが語る。 「自由闊達な日本ハム・新庄監督と質実剛健な中日・立浪監督。一見すると対照的ですが、意外と似ているとも。以前、新庄監督は立浪監督の印象を問われて、“野球に対する考え方は一緒。言い方が違うだけ”と応じていました」
2年目までは仲良く最下位だったのに……
新庄監督の師、故・野村克也氏は「1年目には種をまき、2年目には水をやり、3年目には花を咲かせましょう」と言った。就任1年目、2年目は仲良くリーグ最下位だった両者だが、3年目の今季は違う。相変わらず最下位争いしている中日に対し、日ハムは現在2位で、6年ぶりのCS出場に向けてまい進しているのだ。 この差は何が原因なのか。 「ひとえに若手選手が育っているか否かですね。日ハムはこの3年で多くの選手が成長しましたが、中日は現役ドラフトで移籍してきた細川以外、これといった戦力アップは見られない」 両監督ともに若手育成に心を砕いているが、 「立浪監督は選手をとっかえひっかえ使っていて、なかなか育たない。いわば“その日暮らし”です。一方の新庄監督は、中長期計画で粘り強く選手を育て、自らの野球をチームに根付かせようとしています」 8月14日のロッテ戦、新庄監督は2者連続でスクイズのサインを出し、ともに成功させた。選手がビビりそうな奇策だが、 「就任以来、連続バントなどのサインを出し続けているので、選手たちが“うちの監督ならやりそう”という意識を共有している。その結果、奇策にも冷静に対応できるようになっている」 今月4日のソフトバンク戦では、9回に一挙6点を奪って逆転勝利。試合後、新庄監督は、 「どうですか! この感動を与えるチーム!」 と胸を張った。 「週刊新潮」2024年9月19日号 掲載
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