【イベントレポート】「陽光倶楽部」のヒントはホアン・シャオミン、ウェイ・シュージュン「彼なら演じ切れる」
中国映画「陽光倶楽部」が本日10月29日に第37回東京国際映画祭でインターナショナルプレミア上映。監督・脚本を担当したウェイ・シュージュン(魏書鈞)、キャストのホアン・シャオミン(黄暁明)、撮影監督のチェンマージーユェン、プロデューサーのワン・ツァイタオ(王才涛)が東京・丸の内TOEIで行われたQ&Aに登壇した。 【画像】来日したホアン・シャオミン(黄暁明) 本作の主人公は、40代ながら子供の心を持ち、ツァイ博士が主宰する「陽光倶楽部」の熱心な会員である青年ウー・ヨウ。一緒に暮らしている母親が重病だとわかったとき、彼はツァイ博士から指南された独特の方法で母親を完治させようと考える。「君、花海棠の紅にあらず」など多くのテレビドラマや映画で活躍するトップスターのホアン・シャオミンがウー・ヨウを演じた。 ウェイ・シュージュンは「楽しいことは大事なこと、そこをみんなに観ていただきたいという気持ちでこういった作品を考えました」と紹介し、影響を受けた文学や映画を問われると「文学作品は自分の生活に溶け込んでいます。でもそこからヒントを得ることはありませんでした。この作品の一番のヒントとなったのは、ホアン・シャオミンさんです。彼の個性を見て、シャオミンさんならウー・ヨウを演じ切れるかもしれないと思ったんです。そしてシャオミンさんの家の家訓は『簡単なやり方で複雑に生きる』だそうなんです。まさにウー・ヨウにぴったりだと。彼との出会いがこの作品のアイデアを生み出すきっかけになりました」と振り返った。 ウー・ヨウを演じ、上海国際映画祭最優秀男優賞に輝いたホアン・シャオミン。「ずっと親子の情を描く作品をやってみたかったんです。なぜかというと自分は山東省の人間なんですが、山東省の人間は親子の情が深く、親孝行なんです。光栄なことに、特殊な家庭の中で、親子の情を演じることができました。映画の中で、自分の内側にあったものを吐き出すことができたんです」と口にする。また本作でどんな苦労があったか尋ねられると「(ウー・ヨウは)とにかく食べるんですよ(笑)。今の自分と映画に出演していた当時の自分では15kgぐらい違います」と明かした。 イベント中盤には本作がかつてのテレビサイズの画角で作られていることに触れ、どういった狙いがあるのか質問が飛んだ。チェンマージーユェンは「細かいところまで観ていただいてうれしいです」と喜び、「確かに昔のテレビと同じ4:3の画角で作っています。昔は映画もそうだったんですが、人間の視野が広がり、画面も広がっていった。そうなると風景を見るのにはいいんです。ただこの映画は人に注目を向けてもらいたい作品。だから4:3のサイズにしました」とこだわりを明かす。そんな画角の中で演じた苦労はあったのか質問が飛ぶと、ホアン・シャオミンは「もっと太って見えてしまうことです(笑)」と茶目っ気たっぷりに答え、観客を笑わせた。