愛媛に移住し「サトウキビ」を無農薬栽培!昔ながらの“黒糖づくり”にこだわる農家の思い
先月、サトウキビの収穫作業が行われました。 坂井さん: 「この作業が好きなんですよ。別に草払機で倒すこともできるけど斧でやるのが気持ちいいですね」 この日は、沖縄時代に同じサトウキビ工場で働いていた友人も駆けつけてくれました。 竹越大恭さん(40): 「沖縄では手作業で刈ったやつをおばあの前にどんって置いて、おばあが椅子に座りながらこうやってやるんです」
刈り取ったサトウキビはどのようにして砂糖になっていくのか。 まずは、専用の圧搾機へ。 坂井さん: 「19(度)くらいありますね。美味しい黒糖ができると思います。この搾りかすも堆肥にしたり畑に還元してるんですけど、乾かして薪にも使えるし循環を意識してます」
完全無添加!昔ながらの直火製法にこだわった黒糖づくり
搾ったサトウキビの汁を鉄鍋でじっくり火にかけると…これが、黒糖の原料となる黒蜜です。 坂井さん: 「昔はねこういう圧搾機なんてなかったけど、牛を外周まわらせて真ん中で石臼がまわってそこで搾ってたり、その次は水車とかね、そういうのも僕はめっちゃかっこええなと思う。将来的にできるんなら牛に搾ってもらおうかなと。自然に寄り添った生き方をしたい」
坂井さんの名前からとったひろし農園の工場。ここで黒糖を作っています。 「実演販売とかする時にね甘い匂いにつられて来る…砂糖って外気の影響をすごい受けるんです」 黒糖作りにとって湿度は大敵。雨で湿気が多いと水分が多くなり、食感がしっとりしすぎるため、黒糖づくりには晴れて乾燥している日が適しているといいます。 黒糖の甘さや食感を決める最後の仕上げ作業。200℃近くになるまで煮詰めていきます。 「最後はやっぱり経験値でここというところで火を切りますね。鼻を開けて匂いで見極めます。焦げる一歩手前っていうのもあるし」 昔ながらの直火製法。何度経験しても、緊張する瞬間です。
そして、完成した西条産さとうきびの黒糖。 水口気象予報士: 「う~ん!ほんとだ!サクッとしてちょっとしっとりしてコクがすごい。ちょっと酸味のある甘みというか」 土壌が酸性の耕作放棄地で作ったサトウキビを使っているので、甘さの中に少し酸味がありすっきりとした味わいです。
販売開始から3年、坂井さんの黒砂糖は、西条だけでなく、今では県内各地の直売所などでも販売されるようになりました。 小松オアシス店員: 「実際レジに来てひろし農園さんの黒糖ありますかって聞いて下さるお客さんもいらっしゃいます」 自然に寄り添い環境に優しい製法で作るひろし農園の黒糖。 坂井さん: 「ちゃんと農作物としての砂糖をこうやって作れるんだよっていうのを伝えたいですね。本物、そのままを感じてもらえたらいいと思います」