岡田将生、“婚外恋愛する男”を演じて考えたリアルな夫婦像 ドラマ『1122 いいふうふ』
「結婚」を前向きに捉えるようになった
――結婚観も多様化している時代に「何のために結婚するのか」「夫婦とは何なのか」を問うような作品です。撮影を経て、夫婦のあり方についてどのように考えましたか? 岡田: 僕は独身なので、夫婦というものに対して、どこか理想ばかり追い求めていたところがあるかもしれません。この作品を通じて、擬似的にリアルな夫婦の関係性を体験できたような気がします。 この作品の夫婦は、決して特殊な二人ではないんですよね。「婚外恋愛」や「セックスレス」といった言葉が目立つかもしれないけれど、本当は、どの家庭にも起こりうる問題が描かれている。それは、相手を知り、思いやり、共に歩いていくことの難しさです。 それでもこの作品を通じて、僕は結婚という選択を前向きに捉えるようになりました。 ――それは、なぜでしょう? 岡田: 外からは「分かり合えない」「ぶつかり合っている」と見えたとしても、そのすれ違いや衝突が、お互いの成長につながることもあると思いました。たとえば僕も、子どものときに親が口論しているのを見たことがあって、当時は「けんかしているのか?」とネガティブに感じていました。でも今なら「あれは夫婦として共に歩んでいくにあたって、必要なことだったんだ」と思えます。 いろいろな幸せの形がありますよね。それでもやっぱり、長年歩みを続けている人たちはすごいですよ。対話するときの言葉選び一つとっても、本当はすごく難しいことで。それでも「分かり合えない」時間を重ね、衝突も越えて、ようやく共に生きていくことができるのかなと思います。
●岡田将生(おかだ・まさき)さんのプロフィール 1989年生まれ、東京都出身。2006年にデビュー。近年の主な出演作に、第94回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した映画『ドライブ・マイ・カー』、『ゆとりですがなにか インターナショナル』、『ゴールド・ボーイ』、ドラマ『ザ・トラベルナース』など。8月23日に映画『ラストマイル』、11月には『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』が公開予定。
■『1122 いいふうふ』 原作:渡辺ペコ「1122」(講談社「モーニング・ツー」所載) 出演:高畑充希 岡田将生 西野七瀬 高良健吾 ほか 監督:今泉力哉 脚本:今泉かおり 企画・プロデュース :佐藤順子 製作:murmur 制作プロダクション:Lat-Lon 6月14日(金)からPrime Videoで独占配信 ©︎渡辺ペコ/講談社©murmur Co., Ltd.
文:塚田智恵美