「日本には依然として独自のクオリティがある」

ベトナムで指揮を執るのは、かつて日本代表を率いたトルシエだ。（C）Getty Images

　日本にどう立ち向かうか。現地１月14日に、カタールで開催されるアジアカップのグループステージ初戦で、ベトナムは森保ジャパンと対戦する。地元メディア『Thanh Nien』が、12日付けの記事で注目の一戦を展望した。 【アジア杯PHOTO】ようやくカタールで姿を見せた！待望の久保建英を特集！ 　同メディアはまず、日本の充実ぶりに言及。国際Aマッチで９連勝という戦績を踏まえて、「テクニカルで科学的なドイツ、即興性のあるペルーやトルコ、タフなエルサルバドル、守備的なシリアやタイなど、すべて日本の力に屈した」と感心する。 「日本は電光石火のスピードで進歩している。３年前のワールドカップ予選で、最初の３試合のうち２試合で敗れ、森保監督は解任の危機に瀕したが、日本の指揮官はそこから、チームをより多様性に富む集団に変貌させた」 　森保ジャパンの“強み”に関しては、「対戦相手のプレースタイルに、実に素早く適応して対策を講じること」と分析する。 「それは、様々なタイプの対戦相手に勝つ理由でもある。同時に、日本には依然として独自のクオリティがある。それは目がくらむほど速くて正確なボールプレーであり、選手たちは科学的に動き、プログラム通りに上手く連係している。規律と創造性は強化され、画一的で団結力がある」 　間違いなく強敵である日本との試合で、ベトナムに称賛はあるのか。記事では「パク・ハンソ監督の成功期から現在に至るまで、ベトナム人選手のメンタル面は向上した。あとは正しい戦略を見つけること。それがトルシエ監督の仕事だ」と期待する。 「ベトナムの守備は非常に優れている。ただ、ショートパスでボールがピッチの中央に循環されると、ミッドフィルダーの動きが遅くなり、ボールを失うことがよくある。日本のような強豪チームと対戦した場合、ショートパスを使うべきなのか、それとも安全と引き換えに、ラインを越えてロングパスを出すべきなのか。プレースタイルがチームの運命を変える可能性があるため、トルシエ監督はそれを決断しなければならない。 　守備へのプレッシャーを軽減するには、反撃のオプションもより多様化すべきだろう。ディンバクやヴァントアンのようなスピードのある選手を擁するベトナムは、反撃するための“資本”を持っている。日本が高い位置に上がった時に、相手DFの背後のスペースを利用して速攻を仕掛ければ、守備のプレッシャーを軽減できる」 　試合は現地の午後２時30分にキックオフ予定。同メディアは「体力が問題となる。トルシエ監督は選手たちに適切に力を配分させる必要がある」とし、「勇気と忍耐力を持って、ベトナムが驚かせることを願っている」と締めくくった。 構成●サッカーダイジェストWeb編集部