メディアで公表直後、誹謗中傷で「1カ月寝込んだ」勝手に体が動き声が出る“トゥレット症”と生きる24歳 覚悟の告白から5年半で手にしたものは…
■覚悟の出演から生活一変 就職成功&恋人も
5年半前の『ABEMA Prime』出演から、生活は一変したという。就活に苦戦する酒井さんをスカウトしたのは、マツノケアグループ代表の松野竜一氏だ。「こういう人もいるのだと、最初はビックリした。メディアに出る勇気に感銘を受けて、『全ての可能性を引き出す』という企業理念を体現してくれると思い、ツイッター(当時)でDMを送った」と振り返る。 採用した理由として、「ファーストペンギンになる勇気」を挙げる。「社会人未経験のため、最初の指導はいろいろあったが、2年経って『障害当事者として同じ目線に立てる強み』を生かして活躍している」。 松野氏もまた、吃音症で就活に苦しんだ経験がある。「(酒井さんから)吃音のまねをされるが、楽しいしお互い様だ。面接に来た人に驚かれることはある」。入社にあたっては「社会人経験がなく、知らない病気を持っているから」と、反対の声が多かった。しかし「頑張る過程で、障害の有無関係なく、認めてくれるようになった。今では管理職でムードメーカーだ」という。利用者には、酒井さん自身が事前連絡するが。「症状を説明して、了承いただけるか確認するが、拒否されたことはない」そうだ。
■「夢はいっぱいある」「障害を言い訳にしたらもったいない」
酒井さんには「夢がいっぱいある」というが、その一つがグループホームの開設だ。「仕事探しと同様に、住める家を探すのも大変だ。木造建築では周囲に響き、鉄筋コンクリートでは振動する。よく『地方に住めばいい』と言われるが、そうすると仕事がなくなる。仕事があるところに、家を建てれば、問題は解決できる」。 機運の高まりは感じている。「当事者が集まる交流会の参加者が、どんどん増えている。話題も“つらさ”から、未来に向けた“夢”に代わりつつある。認知が広がり、社会が歩み寄ってきてくれている。我々も意識を変えないといけない」と意欲を見せた。 そして酒井さんは、「障害は体のいい言い訳にもできてしまう。それはもったいない」と語る。「たまに『成功しているから言えるだけだ』と言われるが、やりたいことは言わないと実現しない。幸せだと思えば、幸せに向かっていくと思っている」。 (『ABEMA Prime』より)