石井直方氏が逝去 公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟副会長、東京大学名誉教授
日本を代表する筋生理学者で、日本を代表するボディビルダーであった石井 直方(いしい・なおかた)氏が8月20日、癌を起因とする疾患により東京都内の自宅で逝去された。69歳だった。葬儀は近親者で行われた。後日、お別れ会を開く予定、日程・場所などは未定。 【写真】石井直方先生の現役時代および雑誌の誌面 石井氏は1973年に入学した東京大学でボディビル&ウェイトリフティング部に入部し、全日本学生パワーリフティング大会と全日本学生ボディビル選手権大会で優勝。卒業後はトレーニングセンターサンプレイに所属し、宮畑豊会長と高西文利氏(現マルヤジム代表)をトレーニングパートナーとして、日本ボディビル選手権優勝(1981年、1983年)、IFBBアジアボディビル選手権90kg級優勝(1982年)、IFBB世界ボディビル選手権7位(1986年)などの成績を収めている。 研究者としては、東京大学理学部生物学科動物学教室で筋生理学の研究に勤しみ、理学博士を取得(「軟体動物平滑筋から単離した単一筋細胞の力学的性質とその構造的基礎」1982年)。生物学者として英国オックスフォード大学への留学などを経て、1990年代からは生物学の応用科学として筋力トレーニングの研究に焦点を移行している。1999年に東京大学大学院総合文化研究科の教授に就任し、その後、同新領域創成科学研究科教授とスポーツ先端科学連携研究拠点の拠点長を歴任。また、新聞、テレビ等での適正なトレーニング科学に関する情報発信にも注力し、筋生理学、トレーニング科学の第一人者として社会的に認知されている。 JBBF公認指導員研修制度の構築、その他のトレーニング指導者資格(NSCA、JATI、健康運動指導士、高齢者体力つくり支援士、など)の研修にも携わってきた。関連著書多数。そのほかに、NSCA Japan理事長(1999年~2003年)、JATI功労賞(2021年)など。
文:小野寺正道 写真:徳江正之、フィットネススポーツ