2019センバツ明石商 卒業後も母校支える 試合観戦し情報分析、チームに提供 元マネジャー・荻野さん /兵庫
<第91回選抜高校野球大会> 今春のセンバツに出場する明石商の元マネジャー、荻野大輔さん(19)=神戸学院大1年=は卒業後も他校の試合を観戦してスコアを付けるなどして、主に対戦相手の情報分析で母校を支えている。荻野さんは「野球部で多くを学ばせてもらった。センバツで活躍できるよう、恩返しの意味も込めている」と話す。【黒詰拓也】 荻野さんは2015年春に入学。もともとマネジャー志望だったが「選手の気持ちを理解したい」と他の部員と同じメニューを経験し、8月にサポート役に就いた。ノックなどの補助をしながら、破れたネットを直し、給水用の冷水を作った。全体練習後は部員の自主練習にも付き合ったため毎日、最後までグラウンドに残った。 それでもプレーで貢献できない自分が、本当にチームから必要とされているか不安に思うこともあったという。気持ちを変えたのは、引退後に後輩からかけられた一言だった。「練習がスムーズに回らなくなった。部に戻ってくれませんか」。荻野さんは人を支える喜びを実感した。 他校の試合はバックネット裏で観戦。最適な場所を確保するため、夜明け前に明石市の自宅を出ることもある。昨秋にも観戦し、スコアブックを付けることで協力した。 荻野さんが情報分析にこだわるのは、1~3年の夏の県大会で苦杯を喫した経験があるからだ。いずれも決勝で敗れ、甲子園を逃した。最後まで勝ち切るには練習を重ねるだけでなく、対戦相手を熟知することも欠かせないと痛感した。 狭間善徳監督は「荻野の資料は打者の癖、長所や短所を分析するのに役立っている」と感謝する。荻野さんは「センバツでは明石商らしい粘りの野球がみたい。優勝して、監督を胴上げしてほしい」と後輩に期待する。 〔神戸版〕