新築を見送り、改修する方針となった北海道立近代美術館

　鈴木直道知事は2日、老朽化に伴い整備方法を検討している北海道立近代美術館（札幌市中央区）について、新築案を見送り、現在の建物を改修する考えを明らかにした。現美術館の歴史的価値を重視したためで、道は11月にも増築を含めた具体的な整備構想を示し、改修時期などの検討を進める方針だ。 【動画】「国宝『鳥獣戯画』京都　高山寺展」　札幌・道立近代美術館

　同日の道議会予算特別委員会知事総括質疑で明らかにした。 　同美術館は1977年に開館。地上3階、地下1階建て。北大名誉教授の故・太田実氏が設計し、日本建築学会の北海道建築賞を受賞している。 　道は今年5月、「改修」「現地新築」「移転新築」の3案をまとめ、絞り込みに向けた検討を開始。整備案を検討する専門家会議では7月、現美術館の文化財としての価値を理由に、取り壊しに反対する意見が相次いでいた。