三菱UFJ頭取「事実関係答えられない」 顧客情報の無断共有疑惑で
三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三菱UFJ銀行と三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券が融資先企業の情報を無断で共有していたとされる問題について、同行の半沢淳一頭取は10日、事実関係について「今の段階ではお答えすることはできない」と述べた。大阪市内で開かれた大阪銀行協会の新会長就任記者会見で発言した。 証券取引等監視委員会は金融商品取引法違反の疑いで3社を処分するよう金融庁に勧告する方針を固めている。半沢氏は「現時点で勧告発出の事実はない。勧告がされるか否かについては、お答えする立場にはない」と話した。 金融商品取引法は同一グループの銀行、証券会社間で情報共有を制限する「ファイアウオール規制」を規定。同規制はメガバンクの主張などを受けて段階的に緩和されている。半沢氏は「しっかりルールは守らなければならない。規制緩和の推進に関しては法令規制の順守と体制の整備が前提となると考えている」との認識を示した。【妹尾直道】