元祖「山の神」今井正人氏が順大コーチに 名門復活へ「世界で闘える選手育成を目指す
トヨタ自動車九州と順天堂大学は13日、2月に引退した同社陸上競技部の今井正人氏(39)が4月1日付で同大に出向し、陸上競技部長距離ブロックのコーチに就任すると発表した。スポーツ健康科学部の非常勤講師を務めながら、同社のコーチも兼務するという。 ■ピンクのユニフォームで快走するドルーリー朱瑛里【写真】 福島県出身の今井氏は、順大時代に4年連続で箱根駅伝に出場し、山上りの5区で2年時から3年連続で区間新記録を樹立。4年時には総合優勝を果たした。「山の神」と呼ばれ、その後、異名は柏原竜二(当時東洋大)、神野大地(当時青学大)に引き継がれた。 卒業後にトヨタ自動車九州に入社。15年の東京マラソンで日本歴代6位(当時)の2時間7分39秒をマークし、同年夏の世界選手権代表に選出されたが、大会直前の体調不良で出場はかなわなかった。その後、東京五輪選考会だった19年マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)、パリ五輪選考会だった昨年のMGCに出場し、今年2月に福岡市で行われた日本選手権クロスカントリーを最後に一線を退いた。 順大陸上部長距離ブロックは1952年創部で、過去11度の総合優勝を果たしている。現在の長門俊介監督は今井氏の同級生で、ともに07年の箱根駅伝総合優勝を経験。同年を最後に優勝から遠ざかり、今年は17位で3年ぶりにシード権を逃していた。 復活へ、今井氏は「伝統ある母校の陸上競技部コーチに就任させていただけることに、うれしさがこみ上げると同時に身の引き締まる思いです。長門駅伝監督率いる順大長距離ブロックをしっかり支え、世界で闘える選手育成を目指すとともに、一人の人間として成長するサポートに全力で尽力いたします。また、私自身も常にチャレンジ精神を忘れず、選手とともに成長していけるように取り組んでまいります」とコメントした。 また、トヨタ自動車から田中秀幸氏(34)も4月1日付で出向し、コーチに就任する。
西日本新聞社