救急車に「厄介なリピーター」「払わないなら断ってOK」 医師9割が“有料化”に賛成するホントの理由
■医師たちの声 【一律に有料化すべき】 「松阪市のように入院に至らなかったら徴収といったものでは現在の問題は解決にならず、入院を希望する人が増える一方と考える」「判断に難渋するケースも増え病院側の混乱となるため、一律に有料化して、入院療養費のところから調整出来るのが望ましいのではないか」(開業医、一般内科 一般外科 総合診療 救急医療科、40代、男性) 「入院や緊急処置を判断基準とすると、高齢者を介護している家族から入院を希望してもめる例が増えるように思われます。救急搬送をためらうことでの問題もありますが、救急車の利用マナーがひどくなっている事実もあります」「もしするのであれば一律の方が問題は少なくなると思います」(勤務医、神経内科、40代、男性) 「一律に有料化し、払わない方には救急が断ってもOKとかでもいいかと思う」「ただ、生活保護の方に不正利用が多いのが悩ましい」(勤務医、血液内科、40代、男性) 【例外を除き有料化すべき】 「1回の出動で公費を5万円必要とする救急車出動、救急車を呼ぶに値する疾患(医師が判断)を除き、有料化に賛成です。コンビニ受診や寂しさ紛れ受診、タクシー代わり受診など、救急車を呼ぶべきではない受診が多すぎる」(勤務医、漢方医学、リウマチ科など、60代、男性) 「受診すべき時に自分の症状がどの程度かわからなくて不安になる患者側の心理もわかるが、我々にとっては厄介ないわゆるリピーターもいる。救急車を呼ぶことは決して悪ではなく、濫用が悪であるので、そこを間違えなければいいのでは」(勤務医、リハビリテーション科、一般内科、30代、男性) 「タクシー代わりの救急車が多いから適正化すべき」「個室しか空きがないと伝えるといいですって言う救急要請者がいる時点で、そこまでの必要性がないと自覚している患者が相当数いるため、検討するべきだと思う」(勤務医、循環器内科 一般内科、30代 男性) 【有料化すべきではない】 「選定療養費をとるかとらないかの線引きが難しい。搬送された医療機関でのトラブルを引き起こす可能性がある。一律有料化した場合、交通事故などで第三者が救急要請した場合には誰が負担するのかでまたトラブルになると思います」(勤務医、神経内科、60代、男性) 「一般人に重症かそうでないかの判断は難しく、有料であることで呼ぶことを躊躇し、亡くなることはあってはならないと思います。ただ、不必要なのに救急車を呼ぶ事例が昨今増えていることを考えると、有料化は一種の抑止力となると考えられ、悩ましいところです」(勤務医、神経内科、20代以下、女性) (ライター・羽根田真智)
羽根田真智