<センバツ2022・ともに咲く>広陵・支える人 マネジャー 山本寛己さん、菊富琉之介さん 指導者と選手つなぐ /広島
◇山本寛己さん(2年)、菊富琉之介さん(1年) 「指導者と選手をつなぐ懸け橋だ。お前がちゃんとしないとチームがまとまらない」。1年前に山本寛己さん(2年)がマネジャーに就いた時、中井哲之監督にもらった言葉だ。同じマネジャーの菊富琉之介さん(1年)と協力し、ノッカーにボールを渡し、打撃投手を務めるなどして選手と練習を支える。 掃除など日常の業務はもちろん、監督が何気なく話した選手への助言は漏らさず拾い上げ、本人へ伝える目配りも欠かさない。 山本さんが目指すマネジャー像はコーチの高西恵司さん(32)。夏の甲子園で準優勝した2007年にマネジャーを務めていた。練習の進め方などに悩んだ時は相談して解決のヒントをもらう。「マネジャーの立ち振る舞いを熟知する大先輩」と尊敬してやまない。 菊富さんがマネジャーになったのは今年1月末。1年生部員が集まって話し合い、マネジャーになることが決まった直後、松下水音選手(1年)に「プレーする立場から支える立場に移った菊富を全員がリスペクトする」と声をかけられ胸が熱くなった。 その数日後、卒業で寮を離れるマネジャーの武田遼さん(3年)が手帳をくれた。そこに書かれていた仕事内容や心掛けるべきことを自分の手帳に書き写し、困ったら見るようにしている。先輩の教えを受け継ぎ「グラウンドに指導者がいなくても、自分がそこに立つことで緊張感をつくる存在になりたい」と語る。 昨春初めて加わった女子マネジャー4人とも手を取り合いチームを陰で支える2人。「日本一のチームの日本一のマネジャーでありたい」と口をそろえた。【根本佳奈】