【Cycle*2024 ロンド・ファン・フラーンデレン:レビュー】20%超の激勾配コッペンベルグは今年もやはり伝説的、虹を纏うファンデルプールは混沌を切り抜ける術を持っていた
コッペンベルグで置き去りにされたライバルたちは、分裂と吸収の果てに、最後は小さなスプリントで残された表彰台の座を争った。ルーカ・モッツァートがハンドルを投げ先頭2位へ飛び込み、自身にとってはもちろん、ワールドツアー2年目のチームにとって初めてのモニュメント表彰台に駆け上がった。3番手にはマイケル・マシューズが入った。しかしミラノ~サンレモは2位で泣いたマシューズは後続選手への進路妨害を行ったとして、集団最後尾の11位へと降格。代わりにニルス・ポリッツが3位へと繰り上がった。つまりUAEチームエミレーツはサンレモ3位のポガチャルに続き、モニュメント2大会連続で表彰台乗りを実現させた。
もちろんアルペシン・ドゥクーニンクは今季2大会連続のモニュメント制覇であり、ファンデルプールにとっては2020年、2022年に続く、史上最多タイとなる3度目のロンド・ファン・フラーンデレン優勝。5年連続表彰台にいたっては、史上唯一の快挙だ。ちなみに同じく大会3勝のファビアン・カンチェッラーラが初めてフランドルの王になったのが29歳で、ファンデルプールはこの1月に29歳になったばかり。史上単独最多4勝目への期待は、来年の春へ向けて、早くも膨らみ始めている。
「マイヨ・アルカンシェルでロンド・ファン・フラーンデレンを勝てたなんて、僕のシーズンはもはや成功と言っていい。記録なんて気にしてない。僕のキャリアは、現時点で、すでに自分の予想をとてつもなく超えている。だから今後も自分のベストを尽くし続ければ、きっと記録はついてくる」(ファンデルプール)
文:宮本あさか
宮本 あさか
【関連記事】
- 【Cycle*2024 ロンド・ファン・フラーンデレン:プレビュー】聖なる週間の締めくくり、北の大地で数々の受難を切り抜けてきた強者たちが真の王座を目指す
- 【Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ:レビュー】タデイ・ポガチャル驚異の強さ! ステージ4勝と64年ぶりの大記録に「今が一番バイクとの時間を楽しめているかもしれない!」
- 【Cycle*2024 ミラノ~サンレモ:レビュー】大一番で機能した最強ホットライン 最終盤でマチューのアシストを受けたヤスペル・フィリプセンが「人生を変える」大勝利!
- 【Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ:プレビュー】ポガチャル、クスらが参戦! どのステージも登坂力が問われるワールドツアー屈指の山岳ステージレース
- 【Cycle*2024 ミラノ~サンレモ:プレビュー】サイクルロードレースの春到来! マチュー、ポガチャルの2強に迫るアウトサイダーたち 伝統と高き格式の一戦に世界の目が注がれる