キリンHDが企業向けに「適正飲酒セミナー」初開催 飲酒の場増え、正しい付き合い方発信
キリンホールディングス(HD)は5日、企業向けに適切な飲酒を呼び掛ける「適正飲酒セミナー」を京都市で初めて開いた。新型コロナウイルス禍が収束し、新入社員との飲酒の場などが増える中、お酒との正しい〝付き合い方〟を伝えることを目的としている。 厚生労働省が2月に国内初となる「飲酒ガイドライン(指針)」を公表するなど、適正飲酒への関心が高まっていることを受け、キリンHDは同セミナーを開設。同社によると、新型コロナ禍の行動制限により適正飲酒を深く知らないまま入社する若手社員が増えており、企業などからセミナーの需要が高まっているという。 「リスクを知り、(酒に対し)どんな体質であるのか把握しましょう」。セミナーには電気事業者の団体、日本電気協会関西支部の関係者ら約20人が参加。キリンHDの後藤沙耶香氏の説明を受けたほか、アルコールパッチテストのシールを腕に貼り、肌の変化を確認するなどした。 後藤氏は、アルコールは血液によって脳へ運ばれ、脳の神経細胞をまひさせることなどを説明。判断力が少しにぶる「爽快期」から命に危機が及ぶ可能性のある「昏睡(こんすい)期」など6つの段階の「酔いの程度」を提示したほか、短時間に多量のアルコールを摂取しないなど、避けるべき飲酒を紹介した。 参加した米村拓哉さん(45)は「適切な飲酒を学べるいい機会となった。社内の飲み会などでも心掛けたい」と話していた。 近年は酒類会社による適正飲酒に向けた啓発活動の取り組みが拡大しており、各社がセミナーなどを開いている。(清水更沙)