初代ゴジラ造形助手・鈴木儀雄が明かす貴重な制作秘話 最初のスーツは怒られた「重くて、動けないと」:第37回東京国際映画祭
そこから改良を重ねるものの、やはり中に入る人間にとっては重労働。鈴木は「役者さんが一番大変だったと思う。ハイスピードカメラを4倍にしていたので、ライトの数も多く、とにかく熱がこもる。中島さんも手塚勝巳さんも、中がビショビショになったゴジラを見せるんです。『こういうスーツを作っているんだぞ』ってね」と笑っていた。
また撮影所でのエピソードについて「当時、黒澤明さんが『七人の侍』を撮っていましたが、東宝撮影所の大通りをスタッフ10人ぐらい連れて歩いていました。一方の円谷さんはひっそりとスクリプターを連れて2人でトコトコと歩いているんです」と振り返った鈴木。それでも出来上がった『ゴジラ』を観たときは「本当に感動しました」と懐かしそうに語っていた。(磯部正和)