ネイルアートで再利用 化粧品廃棄せず絵の具に 氷見の岡田さん、今秋にサロン開業
氷見市で今秋、廃棄されるはずの化粧品を再利用した絵の具でネイルアートを施すネイルサロンが開業する。県内の書店でコスメ担当だった女性が、化粧品が大量に廃棄される現状に疑問を持ったのがきっかけで、脱サラして起業する。展示用ネイルチップも病気や身体が不自由な人に提供する予定で、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からネイルを通じて地球や人、爪にも優しいサロンを目指す。 氷見市鞍川で10月にネイルサロン「BooK Nail」を開業するのは岡田瑛美さん(40)。氷見市出身の岡田さんは都内の大学を卒業後、Uターンして県内の書店に勤務し、コスメを担当した。店長やバイヤーなど15年以上にわたり美容業界に携わり、陳列されない化粧品が返品、大量に廃棄される現状に心を痛めた。 そんな中でアイシャドーやチーク、ファンデーションなど粉末状化粧品に特殊な溶液を混ぜ込む水溶性の絵の具があることを知り、地球に優しいネイルサロンを開業する思いを抱いた。3月に18年間勤務した書店を退職し、4月から自宅横の家屋1階を使って開業の準備を進めている。 サロンでは使い切れないアイシャドーなどを持参すれば、その場でネイル施術する。使い終わった展示用のネイルチップをリメークして病気や身体が不自由な人に提供するネイルドネーションも行う。不用な本や、3分の1以上残る使用済みのコスメも回収する。 岡田さんはコスメコンシェルジュインストラクターなど、ネイルやコスメ・美容関連で各種資格を取得しており、現在は特許取得の技術を使ったネイルオフの技能習得に励む。クラウドファンディングで机や椅子など備品や改修費などの支援、協力を募っている。岡田さんは「化粧品の大量廃棄のことを伝えたい。絵本のようなほっこりしたネイルサロンにしたい」と話した。