田村智子氏とはどんな人? 共産党初の女性委員長に 「桜を見る会」問題火付け役
静岡県熱海市で開かれている共産党の第29回党大会は最終日の18日、志位和夫委員長の後任として、政策委員長の田村智子氏(58)=長野県小諸市出身=を決定した。女性初の委員長に就任した田村氏の足跡を、国会での活動を中心にたどる。 【写真】長野県歌「信濃の国」の歌詞が書かれたびょうぶを議員会館の自室に飾っている田村智子氏
「落ち着きがある」高校時代 苦杯なめ続け国政へ
田村氏は参議院比例代表選出で当選3回。野沢北高校(長野県佐久市)に進学し、高校時代の同級生からは「落ち着きがある」「頭の回転が速い」といった思い出話が聞かれる。その後、早稲田大に進み、学費値上げに反対する学生運動に参加した。卒業後は国会議員秘書などを務め、1998(平成10)年に参院選の比例代表に立候補。この時を含めて国政選挙、東京都議選と苦杯をなめ続けたが、2010年の参院選で初当選を果たした。
歴代首相に斬り込み 「桜」で一躍知名度
翌2011年3月、東日本大震災が発生。この年の5月の参院予算委で田村氏は震災対応を巡る政府や東京電力の考えを問いただした。以降、消費税率引き上げやオスプレイ配備、働き方改革の他、最近の政治資金パーティー裏金問題などさまざまな政治課題を取り上げ、歴代首相らに斬り込んできた。 田村氏が一躍知名度を上げたのが、2019(令和元)年に発覚した「桜を見る会」問題。当時の安倍晋三首相の地元後援会員が多数招かれていた実態を追及した。2020年1月の党大会で女性初の政策委員長に起用された。党を代表してメディアなどで発言し、党勢回復のけん引役としての期待を担うことになった。
「初の女性委員長」という期待感
2023年6月の衆院解散が見込まれた中、志位委員長が6月初めに、田村氏の衆院選比例代表東京ブロックへの転出を本人に直接伝えたとされる。これがきっかけとなり、「初の女性委員長」という期待感が浮上した。 志位委員長の在任が20年を超え、「刷新」への渇望も底流にはあったとの見方も。長引く党勢低迷に加え、党首公選を訴えた党員を除名して世論の強烈な批判を浴びた党への危機感も後押ししたとみられる。