義援金目録を篠原会長（右から２人目）に手渡す日向会長（同３人目）＝珠洲市立図書館

　能登半島地震をきっかけに、珠洲焼と越前焼の作家団体が交流を始めた。越前焼の作家ネットワークの呼び掛けで、作品の売却代金を珠洲焼の作家団体に義援金として贈る。隣県同士の古陶産地として助け合い、伝統を受け継ぐ作家の交流につなげる。 　31日、越前焼作家70人が加盟する「ふくい『陶』ネットワーク」の日向光会長と事務局の濵元薫さんが珠洲市を訪れ、珠洲焼の作家団体「創炎会」の篠原敬会長、岩城伸佳副会長と懇談した。陶ネットワークの作家は3月から、越前町の越前陶芸村文化交流会館で約300点の越前焼作品を販売し、代金50万円を創炎会への義援金に充てた。今後も継続する。 　日向会長は「まず復興が進んでほしい」と述べ、篠原会長は「若い作家が珠洲に入ってきて伝統を受け継ぐ段階での地震で大変だった」と語り、今後の作家交流に意欲を見せた。創炎会には九谷焼や備前焼など、全国の陶磁器産地から義援金計約2200万円が届いている。