#04 イラク軍の兵士たち(その2) / フォト・ジャーナル 高橋邦典 第3回
翌日のパトロールで、敵の待ち伏せにあった。狙撃手が潜んでいたのだ。突然数発の銃声が響いたと同時に、前を歩いていた米兵がぱたりと倒れ、続いてイラク兵が道路にうずくまった。駆けつけた米軍の救護兵に先に手当を受けたのは、顔を撃たれた米兵だった。 腹部に弾丸を受けたイラク兵は朦朧としながら、しばらく放っておかれた。僕はそんな彼の姿にカメラを向けながら 、ふと昨日お茶を飲みながら聞いた言葉を思い出していた。 「モスルなんてどうでもいい…」 それでも彼らは、イラク人の任務としてこの町の治安を守るため、明日もまたパトロールに出かけるのだろう。