JAL、A350-1000エンジンを自主点検 9/4に全機完了
キャセイパシフィック航空(CPA/CX)のエアバスA350-1000型機で、エンジン部品の不具合が現地時間9月2日に見つかったことを受け、同型機を国際線で運航中の日本航空(JAL/JL、9201)は、受領済み5機のうち3機の自主点検を終え、異常がないことを確認した。残り2機も4日中に点検を終える。 【写真】JAL A350-1000の個室ファーストクラスと個室ビジネスクラス キャセイが運航するA350-1000のエンジン部品不具合は、2日未明に香港発チューリッヒ行きCX383便(A350-1000、登録記号B-LXI)で発生。エンジンは英ロールス・ロイス製Trent XWB-97(トレントXWB-97)で、枝番の「-97」は推力9万7000ポンドを示している。A350のエンジンは航空会社を問わず共通で、JALのA350-1000も同じエンジンを搭載している。 JALのA350-1000は今年1月24日に就航。自主点検を終えた3機は初号機(JA01WJ)、2号機(JA02WJ)、もっとも新しい5号機(JA05WJ)で、いずれも異常は見つからなかった。残り2機の3号機(JA03WJ)と4号機(JA04WJ)も、4日に点検が終わる見通し。JALは置き換え対象のボーイング777-300ER型機と同数の13機を発注済みで、現在5機受領している。 JALは国内線で標準型のA350-900(3クラス369席/391席)を15機、長距離国際線で長胴型のA350-1000(4クラス239席)を5機運航中。A350-900は別のエンジンであるTrent XWB-75(推力7万4200ポンド)を搭載しているが、JALはA350-900も自主点検の対象に含め、確認を進めている。 A350-1000向けのTrent XWB-97は、A350-900向けのTrent XWB-84や-75などと比べ、新しい高温タービン技術やより大きなエンジンコア、ファンの空力特性の組み合わせで推力を増加させている。 キャセイが実施しているのも自主点検で、全48機のA350が対象。A350-900が30機、A350-1000が18機で、この影響により香港発着の成田線や関西線など、2日から4日までに計48便が欠航となっている。
Tadayuki YOSHIKAWA