美容家電が急成長! 白物家電超えの成長に異業種からも参入【WBS】
コロナ禍を経て、いま急成長している市場のひとつが美顔器やドライヤーといった美容家電です。外出の機会が増えたことなどによる売れ筋の変化や、異業種の参入など、いま、業界全体に新たな風が吹いています。 美容機器メーカー「ヤーマン」が29日、銀座にオープンした「YA-MAN the store GINZA」。初めての旗艦店です。 「こちらの美顔器は1台でエステのフルコースを体験したようなケアが期待できる」(店員) 「細かい静電気のような、ピリピリチクチクした感覚です」(田中瞳キャスター) 店内にはヤーマンが展開するあらゆる商品があります。全てのラインナップが揃っていて、それを体験できるのはこの店舗だけです。 旗艦店を銀座で展開する狙いについて、「ヤーマン」の山崎貴三代社長は「銀座はインバウンドの外国客がまず訪れる土地。客のタッチポイントとしてこんなことができるんだよと、ヤーマンの取り扱っているブランドが全部あるのがフラグシップの一番の目的」と語ります。
ヤーマンがメインターゲットの一つとしているのが、海外の客。去年5月から今年4月までの1年間の売上高は過去最高に。そのうち4割以上が海外なのです。 さらなる購入につなげるために体験を重視した店を銀座に構えるヤーマン。今、売れ筋にも変化が出ているといいます。 「より良いものということで、高価格帯の商品が売れている」(山崎社長) コロナ前は3万円台が売れ筋だった美顔器は、コロナ禍で6万円ほどのものが人気になり、今年に入り10万円超えの高価格帯が売れ出したといいます。 「毎日のように使うなら投資かなと。自分の顔だから。投資するには全く惜しくない金額だと思う」(山崎社長)
好調のヘアケア家電
美容家電が好調なのはヤーマンだけではありません。家電量販店で人気だというのが高機能ドライヤーです。国内シェア数%にとどまっていたシャープは、8月に新機種を発売。コンパクトな見た目ながら、4つの吹き出し口から強力な風を出すことで、広範囲に乾かします。 さらに「ここの丸く穴があいている部分がセンサーになっている。頭とドライヤーの距離を測ってくれる。測りながら温度調整を勝手にしてくれる」(「ビックカメラ 有楽町店」ビューティーコーナーの石塚鈴主任) パナソニックは髪の内側にまで水分を与える「高浸透ナノイー」機能を搭載した高機能ドライヤーを発売しヒット商品となっています。 「特に人気なのが温冷自動切り替えモード。温風と冷風が自動で切り替わるので、『まとまり』とか『ツヤ感』が素人でも美容師に乾かしてもらったような「まとまり感」がつくりやすい」(石塚主任) どれも4万円前後と高い価格ですが、購入を検討する客は「毎日使うものである程度の期間を使うことを考えれば、そんなに高い買い物ではない」と話します。また高価格でも「家族全員で利用するものだから」と購入していく客も多いといいます。 そんな高級美容家電の広がりを示す商品が光脱毛器です。脱毛サロンに行けば数十万円かかるところ、10万円以下で購入できるため需要が広がっているといいます。女性が使うイメージが強い美容家電ですが、最近は男性も美容意識が高まり人気です。 広がる美容家電市場。ドライヤーなどのヘアケア家電の国内市場は、10年間で2倍以上に。洗濯機や冷蔵庫などの白物家電の成長を上回っています。 この成長を取り込もうと、異業種からの参入も。パソコンなどの周辺機器を手がけるエレコム。6月から販売を始めたのが、持ち運び用のヘアアイロンです。 「人が生活するための周辺機器の一つとして、ヘアアイロンからまず参入した」(「エレコム」商品企画部生活家電課の和賀彩佳さん) エレコムが持つ電源制御技術を生かし、速く充電することができるといいます。パソコンの周辺機器から生活の周辺機器へ。今後も美容家電を重点に投資を進めていくといいます。 「今後間違いなく伸びていく分野。美容のエレコムとして認知してもらえるように頑張っていきたい」(和賀さん) ※ワールドビジネスサテライト