BTS、NCT、LE SSERAFIM…担当スタイリストに聞いた【K-POPアイドルのヘア裏話】|美ST
髪色は自分で決められない?K-POPアイドルたちのヘアスタイル事情
―――そうそうたるアーティストの名前が登場して驚きます。これまでどんな方々を担当してこられたのでしょうか? ネジュさん:K-POPですと、みなさんがご存じなところではBTS、EXO、NCT、MONSTA X、THE BOYZ、LE SSERAFIM、東方神起、SHINee、最近はStray Kids アイエンなどのヘアを手がけました。俳優はチ・チャンウク、パク・ボゴムなど数えきれないほど本当にたくさんの方に関わってきましたね。今は「Bit & Boot(ビット&ブート)」の他のチームが担当していたりもしますが、それまでは僕が担当してきました。日本の俳優さんの現場にも入る機会もあります。これまで水原希子、安藤サクラなども担当しました。 ―――K-POPアイドルのヘアを数多く生み出してこられたネジュさんですが、ヘアのデザインはどのような流れで決まるのですか? ネジュさん:最初はプロジェクトの3~6か月前にアーティストの所属する事務所のビジュアルディレクターからアルバムの発売やイベントなど「こんな計画があります」と連絡が来ます。そこから「コンセプトはこういう感じで行きます」とイメージの提案をもらい、僕がいくつかヘアデザインを考えて提案していきます。そのあと試行錯誤しながら何度かやり取りを繰り返して、どんなメイクとどんなヘアとどんな服を合わせるか、3~4回会議して作品をつくっていきます。 ―――基本的に髪の色やデザインは本人の意思ではなくスタッフが決めるかたちになるのですか? ネジュさん:そんなことないですよ。僕たちの意見があって、そのあとアーティスト本人の意見が追加され反映していくことが多いです。双方の意見を聞いて、いいところをミックスする感じですね。
BGMを流すBluetoothスピーカーは BTSのJ-HOPEからのプレゼント!
―――アーティストの方との信頼関係もあっての作品づくりなんですね。現場で大切にしていることはありますか? ネジュさん:たくさんの人と協力して作品をつくらないといけませんから、全てのことで似合うものにしないといけませんし、マッチさせることが必要です。その辺りのバランスを柔軟に考えないといけません。そして、基本的なことですが現場では時間に遅れないことを大切にしています。僕が遅れたら、関わる方すべてが再調整しないといけなくなりますから、これだけはいつも一番気を付けています。 あとは施術の空間づくりでしょうか。韓国のヘアメイクは、現場で仕度することもありますが、美容室にアーティストが立ち寄ってから現場入りするのが普通で、アーティストがリラックスして仕度できる美容室の環境も大切にしています。1つ例を挙げると、Bluetoothスピーカーを準備して、施術中にアーティストの好きな曲をBGMに流したりしています。 お互い静かな空間にいるよりは僕やアーティストの好きな曲をかけていたほうがリラックスできるので現場には欠かせません。かつてBTSのJ-HOPEがBluetoothスピーカーをプレゼントしてくれてそれをずっと現場で使ってきました。最近EXOのベクヒョンが最新のスピーカーをプレゼントしてくれて今はそのスピーカーを使っていますよ。 撮影/宮川久 取材・文/加藤文惠 編集/根橋明日美