ブランド牛乳もストップ 江崎グリコのシステム障害、広がる影響
JAさが（佐賀市）のブランド牛乳も生産ストップ――。江崎グリコのシステム障害の影響が自社商品以外にも拡大している。 【写真特集】これがポッキー電車 江崎グリコは物流などを管理する基幹システムの障害により、「Bigプッチンプリン」や「カフェオーレ」などの人気商品を含む冷蔵品17ブランドの出荷を一時停止している。販売を受託しているキリンビバレッジのジュース「トロピカーナ 100％ まるごと果実感 オレンジ」の900ミリリットル入りなど37品目も出荷停止になっていた。 加えて新たに影響が明らかになったのが、JAさがのブランド牛乳だ。グリコの製造子会社「グリコマニュファクチャリングジャパン」の佐賀工場では、自社の乳飲料などの製造のほかにJAさがのブランド牛乳「グリコJA牛乳さが生まれ」の製造もしている。システム障害の影響で、学校給食用の200ミリリットル以外は製造停止に追い込まれており「一般家庭用の牛乳は店頭に並んでいない」（JAさが畜産部）という。 江崎グリコは同工場に生乳を卸している団体と連携して、酪農家の生乳の廃棄を出さないように調整を進めている。牛乳ではなく賞味期限の長い脱脂粉乳などの製造に回ると見られるが、牛乳より価格が下がるため酪農家の収入減が懸念されている。JAさが畜産部の担当者は「牛乳だけでも製造してくれれば助かる」と訴える。 システム障害は4月3日、旧システムからの切り替え時に発生し、出荷の遅れなどが出た。14日から全国の物流センターで冷蔵品の受発注を停止し、18日に一部商品の出荷を再開した。だが、システム内の在庫と実際の在庫の数が合わないなどのトラブルなどが起きたため、再度出荷を取りやめた。6月中の出荷再開を目指している。【橋本陵汰】
