金賞に輝いた「三種のキムチの干し柿巻き」

　青森県南部町の名久井農業高校（小笠原理高校長）生物生産科食農班の佐藤恋花（れんか）さん（3年）と今藍夏（あいか）さん（同）が、地元産「妙丹柿（みょうたんがき）」の干し柿を使った「三種のキムチの干し柿巻き」で、漬物レシピ日本一を決める「漬物グランプリ2024」個人・学生の部金賞に輝いた。2人は「受賞を機に南部町の妙丹柿の消費拡大につながってくれれば」と喜んでいる。 　妙丹柿は小型の渋柿で、硬い種が入らない特性から伝統的に干し柿に加工されてきた。しかし、木が高く伸び、枝は細く折れやすいため収穫に危険が伴い、放置されたまま腐ったり、鳥の餌になったりする状態が目立ってきている。 　この問題に対処するため、2人は妙丹柿や干し柿を使った創造的な料理の開発を昨年から続けている。今回は南部地方の冬の郷土料理「菊花巻き」に着想を得た新しいレシピを考案した。いずれも地元産のキュウリ、南部太ネギ、リンゴをキムチに漬け込み、それを甘酢で味付けした干し柿で巻くことで、甘くて独特な食感を生み出した。 　グランプリは全日本漬物協同組合連合会が主催。個人・学生の部には全国から70校の応募があったが、同校は第1次と第2次審査を経て、4月下旬に東京で開かれた決勝大会に進出。最高賞のグランプリや準グランプリなどは逃したが、8位内の金賞を獲得した。 　佐藤さんは「まさか受賞するとは思わなかったので驚きとともにとてもうれしい」、今さんは「苦労したのはきれいな花の形になるように干し柿を巻くこと。たくさん練習した」と話した。指導した日野澤義子教諭は「2年生の時から2人がいろいろ試行錯誤し、1年間努力してきた結果」とたたえた。