石巻・大川小、紙灯籠で犠牲悼む 古里離れた仲間に「おかえり」
東日本大震災の津波で児童、教職員84人が犠牲になった宮城県石巻市の大川小で7日、卒業生らでつくる伝承団体が、校舎のガイドや音楽演奏をするイベントを開いた。古里を離れた若者や見学者らが集まり、地域の未来を考える場を一緒につくっていこうという取り組み。夕方には紙灯籠に明かりをともし、犠牲者を悼んだ。 安心して地域に帰ってきてほしいという思いを込めた「おかえりプロジェクト」。任意団体「Team大川 未来を拓くネットワーク」が8月中旬のお盆期間に合わせて2022年から毎年開催している。今年は台風による大雨などで延期されこの日の開催となった。 小学5年の時に被災した只野哲也さん(25)と今野憲斗さん(25)が、見学に来た少年野球チームのメンバーに大川小の思い出や被災経験を伝えた。只野さんは「災害時にどうやって大切な人や自分の命を守るか考えてみてほしい」と語りかけた。 校舎中庭に置かれた紙灯籠は、当時の在校生数と同じ108個。今年は新たに、多くの児童らが津波にのまれた場所の付近にも20個を置いた。