〈支え合ってともに 1.1大震災〉避難所で目の相談 日本眼科医会「手指消毒の徹底を」
●目薬、コンタクトレンズない… いしかわ総合SCなど訪れ 日本眼科医会や県眼科医会などは20、21日、能登半島地震の被災者が身を寄せる金沢市内の避難所で、医療支援を行った。眼科医が相談を受け付けた結果、着の身着のまま逃げたために、老眼鏡やコンタクトレンズがないなど目の不便を感じている避難者が多かったという。同会は今後、奥能登の医院を通じて、点眼液や仮眼鏡など支援物資を送る。 活動は、20日に額谷ふれあい体育館で、21日にいしかわ総合スポーツセンターで行われた。眼科診療に必要な医療機器が搭載された診療車「ビジョンバン」を出動させ、眼科医や視能訓練士が避難者の目の困りごとに関する相談に応じた。 2日間で患者82人を診察。県眼科医会の牛村繁会長によると、高齢者が多く、眼科で処方された点眼液が切れた人、老眼鏡や眼鏡をなくした人、避難所内の乾燥によるドライアイを訴える人が多かったという。中には、震災後、同じコンタクトレンズを入れっぱなしの人もいた。日本眼科用剤協会などから寄付を受けた点眼液やコンタクトレンズ、老眼鏡などを渡した。 21日にいしかわ総合スポーツセンターで診察にあたった杉山和久金大教授は「緑内障患者もおり、緑内障の点眼薬を切らさないことが大事だと感じた」と話す。長い避難生活で免疫力が落ちると、結膜炎などの感染が拡大する恐れがある。杉山教授は「避難所では手指消毒をしっかりして、目をこすったりしないようにしてほしい」と呼び掛けた。 県眼科医会は同会ホームページで、目の不都合を感じている被災者のニーズ調査を行っている。