完全図解:超初心者でもできる「自重トレーニング」…まずマスターすべき目的別「プッシュアップ」法とは?
<最も簡単、かつケガや治癒を促す「プッシュアップ」とは? 図解になり、さらにわかりやすくなった自重トレーニング「秘伝の書」より>
日本でも定着した「自重トレーニング」だが、その教典となっているのが「囚人」ポール・ウェイド氏による『プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ』(CCCメディアハウス)である。 【図解】STEP1~10 をすべて見る しかし、主にテキストを読み解かなくてはならないため、トレーニングの知識がない人にとっては、そのトレーニング方法はやや難しいとされてきた。そこで誕生したのが、『完全図解版 プリズナートレーニング 自重力で筋力を作る方法のすべて』。「気に入った!」とポール・ウェイド氏本人のお墨付きの本書よりプッシュアップの章を抜粋掲載する。 ■STEP1 ウォール・プッシュアップ 1. 壁から少し離れて足を揃えて立ち、手のひらを壁に置く。 2. 額が壁にやさしく触れるまで、肩と肘を曲げる。 POINT 1.に戻り、繰り返す。 【説明】 最も簡単にできるプッシュアップであり、ちょっとしたケガや手術からの治癒を促す。また、筋力を少しずつ取り戻すのにも役立つ。 肘、手首、肩は、トレーニングによって慢性や急性の障害を受けやすい。このエクササイズは、これらの部位をおだやかに刺激して血流をよくし、調子を整え、強くする。初心者は無理のないスタートを切るべきであり、ウォール・プッシュアップはキャリステニクス入門に適している。 【トレーニング・ゴール】 初心者の標準→10レップスを1セット 中級者の標準→25レップスを2セット 上級者の標準→50レップスを3セット 【技術を完璧にするために】 腕を肩幅に広げ、胸の高さでまっすぐ伸ばしたところからスタートする。ケガや手術から復帰した後であれば、体をどの程度動かせるかのテストとして使えるし、リハビリポイントを特定できる。 ■STEP2 インクライン・プッシュアップ 1. 足を揃え、机から少し離れて立つ。机に向かって傾斜し、肩幅に広げた手でへりをつかむ。 POINT 身長のおよそ半分(股関節の高さ付近)の、頑丈な机などを使う。 2. 胸が机にやさしく触れるまで、肩と肘を曲げながら傾斜していく。 【説明】 ステップ1よりも低い位置(股関節の付近)を押すことで、上半身の筋肉がより多くの体重を動かすことになるエクササイズだ。 古典的なフル・プッシュアップ(ステップ5)よりも簡単で、大きな負荷がかからない。それでいて、プッシュアップするための筋力を無理のない形で確実につけていく。リハビリにも使える。 【トレーニング・ゴール】 初心者の標準→10レップスを1セット 中級者の標準→20レップスを2セット 上級者の標準→40レップスを3セット 【技術を完璧にするために】 1.を45度の角度で始めることがポイントになる。45度で「初心者の標準」がクリアできない場合は、より体を起こした角度から始める。股関節より高い机などに手を置くということだ。その机をクリアしたら、徐々に角度を小さくして、最終的に45度になるようにする。 ■STEP3 ニーリング・プッシュアップ 1. 足を揃えて床に膝をつく。目の前の床に手のひらをつく。 POINT 足首を重ね、股関節をまっすぐにする。 2. 膝を軸にして、肩と肘を曲げ、胸が床からこぶしひとつ分のところにくるまで体を下ろしていく。 【説明】 ステップ3は、膝を使ってのプッシュアップだ。うつ伏せになって行うプッシュアップの中で、最も簡単なものだ。立って行うステップ1や2と、難しくなっていくステップ4以降の橋渡しとなるエクササイズであり、初心者にとって重要なステップになる。 比較的簡単に上半身を上げられるので、難度が高いプッシュアップを行う前のウォーミングアップとして使ってもいい。 【トレーニング・ゴール】 初心者の標準→5レップスを1セット 中級者の標準→15レップスを2セット 上級者の標準→30レップスを3セット 【技術を完璧にするために】 難しい場合は、動作域を小さくする。体を沈めすぎないようにするのだ。快適に行える動作域で、レップス数を多めにする(およそ20レップス)。そこからレップス数は多いまま、こぶしひとつ分のプッシュアップができるまで、徐々に動作域を大きくしていく。