見て、読んで、食べて素敵なナショナルライブラリー「フランス国立図書館 リシュリュー館」
このところパリでは新しいアートスポットや、これまでの施設をバージョンアップしたものが続々と登場している。魅力的なのは、そこにもれなく美味しい店が入っていること。 【画像】フランス国立図書館 リシュリュー館の「オーバルルーム」。そのスケールと美しさに圧倒される。 観る楽しみと味わう幸福。その両方を叶えてくれる、とっておきの場所を5回に渡りご紹介しよう。
誰でも入館可能文化大国の懐の深さ
◆Bibliothèque Nationale de France Richelieu(フランス国立図書館 リシュリュー館) Rose Bakery - Tea Room à la BnF-Richelieu(ローズベーカリー BNFリシュリュー・ティールーム) フランス国内で印刷されたすべての出版物の納本を義務付けた、14世紀の王室文庫からの伝統をもつフランス国立図書館。 セーヌ左岸のフランソワ・ミッテラン館と、右岸のリシュリュー館に4,000万点を超える資料が収蔵されているという。 そのうち、古いものでは17世紀太陽王の時代からの建築が層を成すリシュリュー館が12年に及ぶ大工事を経て、2022年9月に再び扉を開いた。 圧巻は「オーバルルーム」。高さ18メートルの天窓から光が入る巨大な楕円形の空間に2万点余りの蔵書が並んでいる。 景観だけでもすでに素晴らしいが、誰でも無料で利用できると聞けば、ちょっと驚いてしまう。図書館登録カードなども必要ない。 一日限りの旅行者であっても、簡単にこの風景の一部になれるのだ。中央デスクの方は、並んで開館を待ち構えて席を確保する常連さんたちに譲るとして、ソファで料理本や美術書をゆっくり眺めたりするのがいい。 あるいは、美しく復元された建物の装飾を愛でつつ書架の間を歩くだけでも、この稀有な場所を十分に満喫することができる。 「オーバルルーム」の隣、一見すると慎ましやかに扉を開いているのが「ローズベーカリー」のティールーム。 ローズさんとジャン=シャルルさんの英仏カップルが立ち上げ、パリですでに20年以上愛されてきたこの店が登場したことで、誰にでも開かれた図書館がさらに魅力的なものになった。 ヘルシーなキッシュや人気のキャロットケーキが、ほっこりやさしい口福をもたらしてくれる。 Bibliothèque Nationale de France Richelieu(フランス国立図書館 リシュリュー館) 所在地 5 rue Vivienne 75002 Paris [図書館] 電話番号 01 53 79 53 79 開館時間 10:00~18:00(火曜 10:00~20:00) 休館日 月曜、年7回の休館日 入館料 無料(ミュージアム10ユーロ) Rose Bakery - Tea Room à la BnF-Richelieu(ローズベーカリー BNFリシュリュー・ティールーム) 電話番号 01 53 79 86 50 営業時間 10:00~18:00(火曜 10:00~19:00) 定休日 月曜
鈴木春恵