「私は私のことが好きです…」動かせるのは目と足の指先だけ、難病ALSを患った元教員が再び教壇に…次世代担う子どもたちに伝えたかった「命の大切さ」と「自分を好きでいること」
目線を読み取る装置で選択し、一文字、一文字入力していきます。 命の授業でどんなメッセージを届けたいですか? 有坂栄康さん:(自動読み上げ音声) 「命を大切にする。自分を大切にする。自分を磨く。自分を好きになる。同じようにまわりを大切にする」 11月1日、有坂さんは長野市の篠ノ井西中学校へ向かいました。 この日、有坂さんの思いを伝えるのは、プロジェクトのメンバーで、教え子のクレイトン美保(みほ)さんです。 クレイトン美保さん: 「先生は今はこういう病気になって体が動かない状態だけど、熱い思いを持っている。それを伝えられる術になれるのであれば、ぜひやりたいなと思って」 全校およそ550人の前での授業。 有坂さんの資料を代読するクレイトン美保さん: 「(ALSになって)最も恐ろしいことはなんだと思いますか」 「それは、会話が出来なくなることです」 人工呼吸器を付ければ、声を失う、付けなければ、生きられない。 有坂さんは2つの選択を迫られました。 一度は、呼吸器をつけないという決断をしますが、有坂さんは、「まだやりたいことがある」、「自分にできることがある」と生きることを選んだと子どもたちに伝えました。 有坂さんの資料を代読するクレイトン美保さん: 「私の命を生ききる。こんな体になっちゃったけどね。大好きではないけれど、私は私のことが好きです」 「たった一つの私の命を大切にしようと思います」 心無い言葉や冷たい視線に傷つくこともありました。 代読するクレイトン美保さん: 「邪魔だなというお店の狭い通路で向けられた冷たい視線」 「この人はしゃべれるの?大変だね。と私の目の前でヘルパーに言われたことがあります」 「相手の気持ちや立場に寄り添える大人になってください。そして、心のバリアフリーを持てる大人になってください」 授業を聞いた生徒: 「再び命の大切さを知れて良かったと思います」 授業を聞いた生徒: 「私は私が好きです、という言葉が一番響きました」 授業を聞いた生徒: 「難病になってからでないと分からないこともあるし、命の尊さを知りました。自分自身、周りに感謝しながら生きていきたいと思いました」 クレイトン美保さん: 「自分のことを大切に思えなかったりとか、自分だめだなと思っている人にどんな自分でもいいんだよっていうメッセージや、自分のこと好きでいていいんだよっていうメッセージが届けばいいかなと思っています」 有坂さんはこれからも子どもたちの前に立って、自分自身を好きでいることや命の大切さを伝えていくつもりです。
信越放送
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