虎のソナタ 「有馬記念予想ナイト」で当てないと シークレットゲストで川端デスク登場
昼下がりのレース部。電話を切った当番デスク・野下俊晴が困惑の表情で立ち上がり、作業中の記者たちに驚天動地の指示を出した。 「ドウデュースが出走取り消しなのでみんな、予想の変更よろしく」 驚きの表情で振り返る記者もいれば、笑みを浮かべる記者も。枠順が決まった後で、これほどの大本命の出走取り消しは前代未聞だ。 紙面総括はレース部長(公営担当)の周伝進之亮だった。 「マラソンでは、優勝候補の直前回避はときどきありますが…」 レース部は一瞬でドタバタ状態に。ガチガチの本命がいなくなった瞬間に、空前の大混戦になったのだ。実は、一番困るのは穴党と呼ばれる記者。高配を狙ってドウデュースを外して予想していたのに、大本命が消えた瞬間、どの馬券が高配なのか、しっかり見極める作業が必要になる。 「穴党が好きな言葉は大本命(断然人気の馬が凡走すれば、配当が高くなる)。穴党が嫌いな言葉は混戦(オッズが割れて妙味が少ない)」 そう教えられてレース部の席を後にしたら、隣の運動部は、なんともホンワカな空気が漂っていた。そこにいたのは入社1年目の萩原翔。現在は大阪国際女子マラソン(来年1月26日)の事務局に出向して、ビッグイベント開催の一翼を担っている。 「昨夜は仕事が残っていて、そこから運動部の忘年会に駆け付けたんです。しんどくてフラフラだったのですが、忘年会の料理がおいしくて、運動部の先輩があったかくて、あんな楽しい宴会は初めてでした。サンスポ運動部に入って、本当によかったです」 決して、無理にしゃべらせたわけではないので、誤解のないように…。運動部の忘年会は、「有馬記念枠順確定」の日に行われるのが恒例。景品の「運動部長賞」もゲットして、ルーキー記者・萩原は〝明日への活力〟を手にしたのだとか。マラソン本番まで1カ月余。頑張ってもらおう。 話を「有馬」に戻す。20日夜は大阪・難波の産経新聞本社内で「2024有馬記念予想ナイト」が、熱心なファンを集めて開催された。元厩務員の今浪隆利さん、おなじみの〝調教ハンター〟天童なこさん、コメンテーター兼進行役の涼宮菜月さん、サンスポが誇る増本隆一朗記者が軽妙なトークで盛り上げた。 そこへ、なぜかシークレットゲストで登場したのが、今は運動部デスクの川端亮平。12年前の有馬を制したゴールドシップの厩務員だった今浪さんに「メチャクチャお世話になった」のがレース部記者2年目の川端だった。そのときの話題で会場を沸かせたのだが…。