石川・輪島市門前町 それぞれの半年 500年の伝統も…公費解体選んだ住職 歩みだす人も
創建から500年を超える専徳寺です。地震で本堂が全壊したほか、門徒たちが集まる会館なども被災しました。 専徳寺 吉岡聡 住職 「全額、寺で(費用を)もちながらやらなくてはいけないのかと。門徒さんもすべて被害をうけておられる。出してちょうだいよというわけにもいかない。なんとかしなくちゃいけないのかなと正直本当に困っておりました」
公費解体を5月中旬に申請し解体を前に最後の法要を行いました。公費解体は、周りの住宅の解体が終わってからの着手を希望していて、 その後、本堂再建への目途は立っていません。 門前町が少しずつ歩みだすために自ら動きだす人々もいます。商店街の組合で勤める宮下杏里さん。現在はボランティア団体と協力し町の再出発に向けた活動を行っています。 禅の里交流館 宮下杏里さん 「みんなバラバラになっちゃってコミュニティが崩壊している状況。サロンを開いてみんなが集まる場を作ってみんなが憩いの場所になったり、元気っていうのを確認したり、心のケアを今大事にしている状況」
毎週金曜日今はバラバラの暮らしをしている住民が震災前のような交流ができるようにと「癒やしサロン」が開かれています。住民同士が話をしながら食事をとったり支援物資の配給をうけたりと心のよりどころとなっていました。明るい話題ばかりではありませんが直接会って会話をすることで自然と笑顔が溢れていました。
禅の里交流館 宮下杏里さん 「門前に残りたいっていう方がいっぱいいるっていうのが分かるし、お互いができることで楽しくできるように今後復興にむけてみんなで一緒になって頑張っていきたいと思ってます。みんな無事ってこと分かるししゃべれるってことは一応元気じゃん 」 きょうを考えることで精一杯、それでも動き出さなければと歩んできた半年。今ある現実と向き合いながら着実に進んでいる門前町。今後、仮設商店街が設置され少しずつ町の賑わいが戻ることを願いながら希望の明日へ試行錯誤は続いていきます。