もうNHK紅白歌合戦は「中高年のもの」でいい! 歌手別視聴率で分かったベテラン勢の大奮闘
「ここ数年、大御所の演歌歌手などの出演を次々と取りやめ、若者に寄り添うことに躍起になっていた紅白ですが、今回は後期高齢者となった『団塊の世代』、そしてそのちょっと下の50~60代を新たなターゲットとして意識しているのがわかります」 【写真】紅白出場で知名度を上げた新浜レオン TVコラムニストの桧山珠美氏はこう指摘するが、大みそかに行われた「第75回NHK紅白歌合戦」の歌手別視聴率が判明した(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区=以下同)。 1部、2部を通して番組全体の瞬間最高世帯視聴率は白組の優勝が決定したエンディングの午後11時44分の35.9%。歌手別では大トリのMISIA(46=35.1%)がトップだったが、第2部の平均視聴率32.7%と前年比で0.8ポイント引き上げた功労者には、60~70代のベテラン勢がズラリだ。 結成38年にして初出場となったB'z(松本孝弘=63・稲葉浩志=60)は圧巻のパフォーマンスが大いに話題となり34.3%、竹下景子(71)ら盟友による西田敏行さんの「もしもピアノが弾けたなら」は34.5%、7年ぶりの出場となった高橋真梨子(75)は33.8%、南こうせつ(75)とイルカ(74)のフォークの大御所のデュエットは33.7%、41年ぶり2回目の出場となったTHE ALFEE(桜井賢=69・坂崎幸之助=70・高見沢俊彦=70)は32.8%と、ベテラン勢が曲別視聴率の上位に多数、顔を出しているのだ。 桧山氏が指摘する通り、1947年から49年の「第1次ベビーブーム」に生まれた団塊の世代は、2025年に全員が75歳以上の後期高齢者になる。テレビの視聴習慣もバッチリあるこのボリュームゾーンを狙ったNHKの戦略が奏功したというわけだ。 「紅白といえば、かつては若い人にはわからないじいちゃん、ばあちゃんが好む演歌もたくさん歌われていました。今回の好評に味をしめたNHKは、来年以降も、新たな高齢者となったこの世代、そしてそのちょっと下の50~60代を狙った80~90年代の楽曲をどんどん出してくるでしょうね」(桧山氏) いっそ中高年をメインターゲットにした番組に振り切ってみてはどうか。