供えた線香を持ち上げて確認… 沖縄・慰霊の日の警備に疑問 県は「安全で静ひつな式典運営」と妥当性強調
▽沖縄県保護・援護課 又吉剛課長 「まず安全性の確保が一義的にありますので。例えば安倍元首相襲撃事件や岸田首相襲撃事件などを踏まえて、参列されている多くの方々に危険な状況がないように、県警に県からお願いしている。知事も話していた通り、安全で静謐な式典運営に努める形となっています」 慰霊の日当日。 ー県の担当者と交渉する具志堅さんー 「この写真わかりますよね。警官が去年は平和の礎の中で沢山入り込んで不審物を探しているかのような捜索をしているが、これは県民に対して認める?」 平和の礎での大規模な警備は控えてほしい。3日前にも県に要請はしていますが、 慰霊の日当日も念を押します。 しかし午前8時半過ぎ。去年と同規模の警備は行われました。 手向けられた花や線香を目視するだけでなく、持ち上げて確認する様子も。 ー抗議する具志堅さんらー 「警察官は平和の礎から出て行って下さい。ここには不審物はありません。ここは捜査の対象にならないはずです。出て行って下さい」 警察の警備以上に平穏な時間を壊して。それでも抗議する具志堅さんと、戦没者遺族である男性。突き動かしたものは、理屈にならない感情です。 ▽沖縄戦で姉を亡くした小橋川共行さん 「遺骨もない肉親が眠っている所ですからね。自分でも意外で分からなかったが。 なぜこみ上げるか分からなかったが(警察を見て)涙が出てきた」 思いを同じくする参拝者も。 ▽那覇市から参拝 「荒らされてますよ完全に。何考えてるんだか」 ▽沖縄戦で兄と姉を亡くした富底正彦さん 「礎の警備は絶対許せるものじゃないと思っています」 (Q:具志堅さんに思いを託している?) 「そうそう。僕はこしを痛めているから。歩くとしびれてきて。本当は歩きたい気持ちもある」 ▽具志堅隆松さん 「大声を出すこと自体、本当は不謹慎なのはわかっています。しかし、遺族に対する横暴を見逃すわけにはいきません」 国籍や軍民を問わず沖縄戦などで亡くなった全ての人の名前を刻んだ平和の礎。その分け隔てのない空間で。それぞれが大切にしている〝静謐〟をどう守っていくのかが、問われています。
【記者の視点】 静謐な環境は大切だと思いますが、遺族の心の平穏を損なってるという現状は黙殺してはいけないと思います。(今井憲和)
琉球放送