<チェリまほ>王様ゲームでキスするよう命令される2人、「ごめん安達 好きになって」黒沢の心の声に安達は……?
TVアニメ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(毎週水曜深夜0:00-0:30ほか、テレ東ほか/ABEMA・Huluほかで配信)の第2話が1月17日に放送された。同僚の黒沢から寄せられる恋心に戸惑う安達。友人からのアドバイスで自分の気持ちと向き合った安達が一つの答えに辿り着いた。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】黒沢(CV.鈴木崚汰)と付き合うイメージをする安達(CV.小林千晃) ■「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」とは 童貞のまま30歳を迎えたことで“触れた人の心が読める魔法”を使えるようになった主人公・安達清と、イケメンで仕事ができる同期・黒沢優一が繰り広げるラブコメディ。原作は「ガンガンpixiv」(スクウェア・エニックス)で連載されている豊田悠による同名漫画で、通称“チェリまほ”として知られている。2020年に赤楚衛二と町田啓太で実写ドラマ化、翌々年には劇場版も公開されたことで人気に火がつき、シリーズ累計発行部数280万部を突破した。海外翻訳版も出版されており、タイでもドラマ化されるなど、国内外で愛されている作品だ。 そんな「チェリまほ」がついにTVアニメ化。奥田佳子監督のもと、サテライトがアニメーション制作を手がけ、キャラクターデザインを「ハイキュー!!」シリーズの岸田隆宏が担当。安達役を「クールドジ男子」や「地獄楽」などでも主役を務める小林千晃、黒沢役を「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」や「Dr.STONE」でも活躍中の鈴木崚汰が務める。 ■不器用で真面目な安達の愛おしさ “触れた人間の心が読める魔法”を使えるようになったことで、同僚の黒沢から恋心を寄せられていることに気づいてしまった安達。その想いの強さに動揺し、安達はつい黒沢を拒絶するような態度を取ってしまった。 そんな安達は、大学時代の友人で恋愛小説家の柘植将人(CV:古川慎)に相談を持ちかける。柘植からは「親切にしてくれるみたいだし適度に転がしておけよ」とアドバイスされるが……。 たしかに、安達にもそういうズルい気持ちがないわけではなかった。営業部のエースでみんなから頼りにされ、イケメンで会社でもモテまくり。そんな黒沢が自分のことを想い、どんな時でも尽くしてくれる。想いに応えられずとも、その優しさにいくらでも漬け込むことはできた。だが、柘植の言う通り、そうできない安達の真面目さや不器用さに黒沢は惚れたのだろう。 後日、取引先の相手が急に不機嫌となり、困っている黒沢のために安達が取った行動にも、黒沢が安達を好きになった理由が詰まっていた。他の社員が助け舟を出せず狼狽えている中、お茶だしの際にさりげなく取引先相手の心を読む安達。不機嫌になったのはお茶菓子のショートケーキを出してもらえなかったという実にくだらない理由だったが、安達のおかげで黒沢は取引停止の難を逃れる。安達はそのことで初めて「この力があってよかった」と思えた。 人の心を読める魔法など、いくらでも自分の利益になるように悪用できる。でも、そうではなく誰かのために力を使い、結果として自分には大きなメリットがなくとも役に立てたら喜べる安達だからこそ、黒沢は好きになったのだ。逆に言えば、黒沢がずっと安達のことを見ていたからこそ、気づいた安達の魅力でもある。 ■「ごめん安達 好きになって」 黒沢は本当に安達のことをよく見ている。職場の飲み会で突然始まった王様ゲームで王様に指名され、キスするように命令される2人。正直、黒沢にとってこれほど美味しい状況はない。けれど、顔を近づけた瞬間に安達が身体を強張らせたのを黒沢は見逃さなかった。 安達の口ではなくおでこに軽く口付けをした後、飲み会を抜ける黒沢。追いかけてきた安達に、「男同士でキスとかさ 普通嫌だよな」と無理につくる黒沢の笑顔が切ない。同僚たちも安達と黒沢が男同士だからという理由で2人にキスを迫ったのだろう。男性と女性ではなくともハラスメントには変わりないが、同性同士なら冗談で済ませられると思っている。誰も、もしどちらかが相手に好意を持っていたら?という考えにも及ばない。 だけど、黒沢は安達のことを真剣に想っていて、時に気持ちが止められず、好意で動いてしまうことを安達に申し訳なく感じている。「ごめん安達 好きになって」という黒沢の心の声に思わず胸がズキっとする安達。しかし、安達が身体を強張らせたのは恋愛経験がないゆえに戸惑ったからであり、黒沢のことが嫌なわけではなかった。 むしろ、安達は柘植に「お前自身が相手のことをどう思っているか 考えた方がいいんじゃないか」と言われてから、黒沢のことを考え続けた結果、嫌なところが一つも見つからなかった。それなのに、まっすぐ相手の気持ちを受け止められないのはやっぱり黒沢が男性だから。その唯一の理由に縛られている安達の心も、黒沢と関わり、彼の人柄を知っていく中で少しずつほぐれていく。 嫌ではなかったという気持ちを正直に伝え、黒沢との関係に一歩踏み出した安達。その瞬間、ペットボトルが床におち、2人の心と心が近付くように水が波紋していく演出がニクイ。2人の関係がこれからどう発展していくのか楽しみになる第2話に、放送後「『好きになってごめん』に胸が苦しくなった」「安達くんの気持ちを優先しつつも、ちょいちょいビースト感出してくる黒沢さん…色気凄い」「ペットボトルの波紋の演出すごく好き」「アニメは原作にほぼ忠実だけど所々ドラマの良いところも取り入れられている」といった感想が呟かれた。 ◆文=苫とり子