日本株式市場は「上昇する」と予想 ~マーケットの振り返りと見通し【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフリサーチストラテジスト】
※本稿は、チーフリサーチストラテジスト・石井康之氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)による寄稿です。2024年3月のマーケットを振り返り、「1. 概観、2. 景気動向、3. 金融政策、4. 債券、5. 企業業績と株式、6. 為替、7. リート、8. まとめ」のそれぞれについて解説します。
1.概観
【株式】 3月の主要国の株式市場は、堅調な展開となりました。米国株式市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した政策金利見通しで年内3回としていた利下げ予想を維持したことなどを受けて、投資家のリスク選好姿勢が強まり、続伸しました。NYダウは5ヵ月連続で上昇し、最高値を更新しました。欧州の株式市場は、長期金利の低下を受けてドイツDAX指数が最高値を更新するなど堅調な動きとなりました。日本の株式市場も、日経平均株価が4万円台に乗せるなど最高値を更新し、上値を追う展開となりました。日銀が金融政策決定会合でマイナス金利の解除を決めたものの、当面緩和的な金融環境が続くとの観測などから上昇しました。中国株式市場は、前月に大きく反発した影響もあり、上海総合指数、香港ハンセン指数ともに小幅な上昇となりました。 【債券】 米国の10年国債利回り(長期金利)は、FRBが公表した政策金利見通しやパウエルFRB議長のハト派発言を受け、FRBが6月にも利下げを開始するとの観測から小幅に低下しました。ドイツの長期金利は、欧州中央銀行(ECB)が経済予測で24~25年のインフレ率見通しを引き下げたことなどを受けて低下しました。一方、日本の長期金利は、日銀が金融政策決定会合で大規模緩和政策を大きく修正したことを受け、小幅に上昇しました。 【為替】 円の対米ドルレートは、日銀が大規模緩和政策を大きく修正したものの、日米金利差が開いた状況が長く続くとの見方が優勢となり、151円台に下落しました。 【商品】 原油価格は、米国経済が堅調さを示したことやロシア産原油の供給が減るとの見方が強まり、需給の引き締まり状態が続くとの観測から上昇しました。
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