乗客の家族「やっと進めるね」観光船沈没の桂田社長の逮捕に「逃げ隠れしないで、罪は罪でちゃんと…」事故から2年5か月、安全徹底も観光への影濃く
知床斜里町観光協会 新村武志事務局長 「事故が発生する前はコロナ禍も明けて外のアクティビティ、屋外ということで、かなり客が戻ってきてくれるんじゃないかと予測を立てていたが、事故が発生してコロナ前の数字まではなかなか届かないという現状」 斜里町を訪れる観光客は、2019年度には120万人に迫っていましたが、昨年度は、およそ87万人と、コロナ前の7割程度にとどまっています。 そんな中、廃業に追い込まれた会社も。 石黒拓海記者 「こちらは観光船業者の事務所が並ぶ通りです。知床遊覧船の事務所の隣りにあったドルフィンという業者も今年の3月で、すでに廃業しています」 事故の3か月後、「ドルフィン」を運航していた菅原浩也(すがわら こうや)社長です。
観光船ドルフィン 運営会社 菅原浩也社長 「売上的には3分の1から5分の1。それもしかたがないですね。なんとか持ちこたえて来年も商売できるように頑張りたい」 こう話していた菅原社長でしたが、客足が遠のいたことで、ことし3月、廃業することを決めました。
一方、こちらは、知床半島で獲れた新鮮な海の幸を提供するウトロの居酒屋です。店を営むのは、地元の漁師、古坂彰彦(こさか あきひこ)さん。古坂さんは、事故直後から乗客の捜索に参加。マチを元気にしたいという思いから、事故の半年後に店をオープンさせました。
漁師居酒屋 OYAJI 古坂彰彦さん 「自分たちが取った魚だから活締めや温度管理をして、おいしいものを出せるから、だんだん観光客が増えていると思う。喜んでくれいている、おいしいと言ってくれるから、やりがいはある」 知床斜里町観光協会 新村武志事務局長 「安全の確保があって楽しんでもらうのが、第一になっていますので、そういう発信を続けていきながら、知床の大自然・魅力を体感していただきたい」 事故から2年5か月。観光への影響が続く中、引き続き安全対策の徹底が求められています。
北海道放送(株)
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