ALSの元雑貨店長、のみの市を開催 「好き」詰まった愛用品ずらり
筋萎縮性側索硬化症(ALS)で闘病中の元雑貨店長の女性が愛用した品々を販売する、のみの市が26~28日、愛知県知多市岡田の「ちっちゃな美術館ミュゼ」で開かれる。 【写真】のみの市で販売する杉江法子さんの衣服。奥にいるのは竹内三佳さん=2024年9月24日午後0時50分、愛知県知多市岡田のちっちゃな美術館ミュゼ、臼井昭仁撮影 闘病中の女性は半田市の杉江法子さん(62)。自ら海外で買い付けた衣服などを扱う「アトリエノリコ」を営んでいたが、ALSの発症により6年前に閉じた。直後に大半の商品は売却した。以後、闘病生活を続けていた。 今年7月、杉江さんは友人で美術館の代表を務める竹内三佳さん(59)にメールを送った。竹内さんによると、「寝たきりの生活となり、好きな洋服も着ることもできないので手放したい」という内容だった。思いを受け止め、のみの市を開く場として提供することにした。「思いをくんで大切に残してくれる人に買ってもらえたら」 ワンピースやセータ―など衣類が200着以上、バッグが約10点、アクセサリー類が約30点。価格は3千円から。 杉江さんは、かろうじて動くという右手の指2本を使って思いをつづった。「かすかな望みを捨てきれず、いつかという気持ちが邪魔をして手放せませんでした。昨年、手術をして声を失い、手足の自由もなくなるまで進行し、やっと手放さなければと思うようになりました。私の好き!とワクワク、ドキドキが詰まっています」 問い合わせは、美術館のウェブサイト(https://peraichi.com/landing_pages/view/musee344)へ。(臼井昭仁)
朝日新聞社