観光列車、三県巡る 10~12月実施の北陸DC概要発表 敦賀開業効果を最大化
北陸三県とJR西日本は22日、10~12月に実施する大型観光企画「北陸デスティネーションキャンペーン(DC)」の概要を発表した。あいの風とやま鉄道の観光列車「一万三千尺物語」が北陸三県を巡る特別コースで運行し、ラッピング新幹線も登場する。期間中は北陸の食や伝統工芸の魅力を堪能できる多彩なイベントを企画。多くの人を呼び込む起爆剤とし、北陸新幹線敦賀開業の効果を持続させて能登半島地震の復旧復興につなげる。 ●震災復興もつなげ 北陸DCは「日本の美は、北陸にあり。」をキャッチフレーズに、JRグループと北陸三県、各県観光連盟、北陸経済連合会などが実行委員会をつくる。北陸での実施は北陸新幹線が開業した2015年以来、2回目となる。 金沢市のホテル金沢で実行委が会見し、馳浩石川県知事は敦賀開業により北陸三県が1時間圏内で結ばれたとし「これまで以上に3県が連携することが大事だ」と述べ、北陸DCを能登の復興の契機にしたいと期待を込めた。JR西日本の石原利信執行役員金沢支社長もあいさつした。 オープニングイベントは10月5、6日に加賀温泉駅前広場で行われ、北陸三県の祭りと伝統芸能を披露する。11月3、4日には氷見市芸術文化館で北陸の食材を生かした人気グルメを楽しむイベントを実施する。 一万三千尺物語は10月12日に富山発金沢行き、13日に金沢発敦賀行き、14日に福井発富山行きを運行。車窓からの美しい景色を地元食材を使った料理とともに楽しむことができる。定員は各日40人で申し込み多数の場合は抽選となる。今月23日から予約ができる。 城端・氷見線の観光列車「べるもんた」では、期間中にオリジナルグッズを贈り、沿線企業と連携した限定商品も販売する。 ●各県が独自企画 期間中は各県が趣向を凝らした独自企画を展開する。 石川県は「クラフード(CRAFT×FOOD)」と銘打ち、工芸と食を連携させた初企画を県内各地で展開する。料理店やホテルでは伝統工芸の器で加賀料理を味わう催しに加え、工芸作品の展示・販売や制作体験を行う。旬の魚介を職人が握る「百万石の鮨(すし)」も販売する。 富山県は国宝勝興寺での写経体験や、普段は見ることができない経堂を特別公開する。黒部峡谷鉄道トロッコ電車では工事用の猫又駅で降り、雄大な自然を堪能できるプログラムを提供する。 福井県は若狭湾の蘇洞門(そとも)を巡る遊覧船ツアーや国重要文化財中村家住宅の望楼座敷を特別に見学できる。 このほか、北陸新幹線の敦賀―糸魚川間を3日間乗り放題できる期間限定の新商品や、事前予約で北陸三県から東京までが半額となる乗車券なども販売する。