代替地で北朝鮮にドロー...なでしこJの歯車を狂わせた要因は? 目に見える不安材料は左サイドからの攻撃。ピースを効果的にはめ合わせたい
守備のリスクに向き合う必要も
試合をトータルすると、北朝鮮はシュートが7本、日本は3本で、スコアレスドローが妥当な試合ではあったが、より勝点3に近づいたのは北朝鮮だった。 もちろん第1戦は相手のホーム扱いであり、イーブンでホームの第2戦に臨めるという意味では悪くない。ただ、内容面の悪さというのは、数日前まで会場が決まらなかったこと、環境の厳しさなどを差し引いても反省材料として、中3日の試合にネジを撒き直す必要はある。 目に見える不安材料は宮澤ひなた、遠藤純の2枚を欠く左サイドからの攻撃だ。さらに昨年の女子ワールドカップで左の第二チョイスだった猶本光も怪我でいない状況で、アウェーの第1戦は左ウイングにFWの植木理子、左サイドバックにセンターバックが本職の古賀を起用した。 しかし、二人の距離感が遠すぎたり、北朝鮮のロングボールに対して、古賀が中央の守備に追われる分、植木が孤立する時間帯が多かった。途中から左ウイングに単独で仕掛けられる中嶋が入っても、あまり効果を生み出せなかった。 第2戦は涼しい環境で身体は動くはずだが、全体の攻撃を機能させるには、左サイドのピースをうまくはめ合わせる作業は不可欠だろう。 杉田妃和や、遠藤に代わる追加招集の北川ひかる、第1戦は途中出場だった中嶋など選択肢はあるが、北朝鮮も引き続きロングボールを狙ってくることを想定すれば、守備のリスクにも向き合っていく必要がある。 とにかく負ければパリ五輪の扉が閉ざされてしまう大一番で、どんな形でもゴールをもぎ取って、国立の地で勝利を掴むことを期待するしかない。 文●河治良幸
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