皆鶴姫 長く愛されて 宮城・気仙沼で観音堂の落成式
源義経の初恋の人とされ、義経のために父の兵法書を盗み与えたとして約850年前に島流しに遭い、気仙沼に漂着したとされる皆鶴姫(みなづるひめ)を祭る観音堂が新築され、落成式が12月1日、宮城県気仙沼市前浜であった。 観音堂は1977年に気仙沼湾を望む場所に建立され、同市母体田地区の住民が供養を続けてきた。建物の老朽化に加え、東日本大震災の影響で地盤も悪化したため、約300メートル南にある津波で流失した自治会館の跡地に移された。 式典には約60人が参加。朝に古いお堂から運ばれた観音像に向かい、静かに手を合わせた。がけ地だった以前の場所とは違い、防潮堤のそばに整備された道路沿いに立地する。近くには伝説と地域の関わりを紹介した看板も新設された。 観音堂は地元の「母体田皆鶴会」が約100万円かけて整備した。小松義人会長(71)は「移転新築は長年の念願だった。物語が末代まで伝承され、広く愛される場所になってほしい」と話した。
河北新報