万博期間中ライドシェア、大阪府内全域で24時間可能に 国と府など合意、年内にも試行
一般ドライバーが自家用車で客を運ぶ「日本版ライドシェア」を巡り、来年4月に開幕する2025年大阪・関西万博に合わせて大幅な規制緩和を要望してきた大阪府市は19日、東京都内で国土交通省などと勉強会を開き、万博期間中にライドシェアを府内全域で毎日24時間運行できるようにすることで合意した。年内にも試行実施を始め必要な運行台数を決める。ライドシェアを常時運行可能にするのは全国初。 【表でみる】大阪府内で万博期間中に緩和されるライドシェアの運行規制 勉強会で国交省が示したライドシェアの規制緩和案では、万博期間中を含む来年4~10月、大阪市と周辺市の交通圏内に限られる運行エリアを府内全域に拡大。運行時間は週末のタクシーが不足する時間帯に限定されているが、毎日24時間運行できるようにする。 今月20日以降、緩和後の条件で試行実施が可能となる。府市はタクシーの不足台数を補う範囲で認められるライドシェアの運行台数について制限を撤廃するよう求めていたが、試行実施で、業界団体の大阪タクシー協会や国交省と需給状況を定期的に観測し、必要な台数の検討や見直しを行う。 府市は昨年秋以降、期間中に2800万人の来場者が見込まれる万博期間中のピーク時には、大阪で1日約2300台のタクシーが不足するとして規制緩和を要望。国交省やタクシー業界との間で協議を進めていた。 当初はライドシェアの普及策としてタクシー会社以外の新規参入や運賃の変動価格制、ドライバーの業務委託契約などの実現も求めていた。吉村洋文大阪府知事は勉強会後、記者団の取材に「今の法律では限界がある。本格的にやるべきで、(国が)新法を制定できるように進めたい」と述べた。(山本考志)