【天才すぎる!】23本のリコーダーで自作した「パイプオルガン」が大反響 驚異の発想とその製作過程…創作楽器を手がける音楽家に聞いた
楽器の材料はホームセンターやAmazonで調達
完成したリコーダーパイプオルガンをよく見ると、リコーダー以外の材料は塩化ビニール管(塩ビ管)、バルブ、ホースといった身の回りでよく見かけるものばかり。ふだんの楽器づくりではホームセンターで調達するそうだが、今回はパーツが多いためAmazonやモノタロウで一気に購入したという。 塩ビ管は「切る」「繋ぐ」「曲げる」という工作が簡単で、しかもオルガンにとって大事な気密性も簡単に得られるそうだ。また、接着しなければ分解することもできる。 「使用したリコーダーは、アルト15本とソプラノ8本で、音域としてはG4~F6です」 これらの材料を創さんは、設計図を引かずに加工して組み上げていくという。 「塩ビ管の組み合わせは結構シンプルで、現物合わせでなんとかなるので、細かい設計図を引く必要がないのです。せいぜい、何をどこに繋ぐかをメモに書くぐらいです」 それでもやはり楽器なので、チューニングは丁寧に仕上げたそうだ。製作期間は3週間、時間にして70時間くらい。材料費は8万~9万円とのこと。 完成したリコーダーパイプオルガンは先日、無事にカナダへ到着したようだ。演奏している動画がYouTubeに投稿されていた。 「今までもオルガンをつくってたんですけど、今回は評判がいちばん良かったんです。その理由を自分なりに考えてみると、皆さんがよくご存じのリコーダーだったからでしょうね。これが別の、あまり見たことがない楽器だったら、反応は違ったと思っています。皆さんがご存じのもので工夫することが大事だったんだろうなと、今は思います。さらにいえば、パイプオルガンを知ってはいても、どういうものかを説明できる人は少ないでしょう。分かりにくいものを分かりやすく伝えることは、とても大事ですよね」
オリジナル曲を2カ月に1度YouTubeで発表していく
創さんは今、自作のオリジナル曲を発表する「あの空によせて」というプロジェクトに取り組んでおり、その第1弾となる曲「狼」が現在YouTubeに投稿されている。聞きやすく飽きが来ない爽やかなメロディの曲だ。 「好きなように曲をつくって発表し多くの人に聞いてもらうことが、このプロジェクトのいちばんの目的です」 この「狼」も、これから2カ月に1度の予定で出す曲も、誰でも無料で聞けるという。 「音源をつくって稼ぐのはめちゃくちゃ難しいので、それは初めから考えていません。自作の曲を広めたいという想いだけです」 「狼」に続く第2弾も楽しみだ。そして何より、創作楽器を実際に触って音を出せるというコンサート会場に、一度は足を運んでみたい想いに駆られた。 (まいどなニュース特約・平藤 清刀)
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