挑戦と絆でつないだ20年 福大大濠高の男子チア「クッキーズ」/福岡市
チアにささげた青春
クッキーズの歴史は、同高が男女共学になる前の2004年春、吉村玄さん(36)がクラスの友人らをチアに誘ったことから始まります。 当時、「ウォーターボーイズ」やチアリーダーが題材のドラマが放送されていたこともあり、吉村さんは「誰もやってないことにチャレンジしたい」と考えていたそうです。集まった10人ほどで練習し、6月の体育祭で披露しました。「この時は人前でダンスをした程度で、チアというほどのものではなかったです」と振り返ります。 迎えた夏休み、福岡大のチアリーディングチームに練習を見てもらえることになり、チアのルール、笑顔の作り方や姿勢などを教わりました。名前を「クッキーズ」に決め、9月の文化祭の出し物で、チームとして初めて演技を披露しました。
学校側からも、すでにあった応援指導部に属する形で、正式な部活動として認められました。福岡県のチアリーディング協会にも登録することができ、協会からコーチを派遣してもらって本格的な練習が始まります。 初めて全国大会に出場したのは06年8月。敗者復活戦からの参加でした。約30チームがエントリーする中、男子だけのチームは会場を大いに沸かせます。そのまま準決勝へ進み、8位の成績を残しました。「衝撃的な出来事で、この時のことは今でも忘れられません」。OBの一人で、現コーチの匹田恭平さん(34)は話します。 チアの大会では、試合を見ているライバルも、他チームの演技に拍手や声援を送るのが”きまり”といいます。匹田さんは「自分たちが演技をしているとき、まるでアイドルのような歓声を浴びました。感動して震えが止まりませんでした」と、チアの魅力に引き込まれた”瞬間”のことを教えてくれました。 翌年以降もチームは全国大会に出場し、11年には最高の3位に輝きました。
夢に向かって走れ!!
クッキーズには毎年10人前後の新入生が加わりますが、ほとんどは未経験者です。「高校で新しいことに挑戦したい」「人気者になりたい」といった思いを抱いて入部した生徒たちを、卒業生らが練習や応援でサポートします。 「自分たちが体験した感動を、今の生徒たちも感じてもらえるとうれしい」と匹田さん。指導に熱が入ります。