ジェラード“悪夢のスリップ”から10年…… 思い出される不運の記憶
まさかの瞬間だった
2014年4月27日、リヴァプール×チェルシー。この試合で何が起こったか鮮明に思い出せるリヴァプールファンは多いかもしれない。0-0で迎えた前半のアディショナルタイム。ママドゥ・サコから戻されたバックパスを受けようとしたスティーブン・ジェラードがまさかのスリップ。ボールはデンバ・バに拾われてしまい、シモン・ミニョレとの1VS1を冷静に制したデンバ・バはボールをゴールに流し込む。優勝に向けてレッズを熱く鼓舞し続けてきた男に、不運が降り掛かった日だ。 それまで怒涛の11連勝で首位を走っていたリヴァプールはこのゲームでチェルシーに敗れ、続くクリスタル・パレス戦も勝点を落とした。最終盤に調子を落としてしまったリヴァプールは結局、マンチェスター・シティに追い抜かれ、タイトルを逃してしまったのだ。 その日から10年が経つことになる。スティーブン・ジェラードは結局、プレミアリーグのタイトルを手にすることができなかった。そこからユルゲン・クロップの時代となり、リヴァプールは19-20シーズンに念願のリーグ優勝を果たす。そして、そのユルゲン・クロップの時代はまさにあと数試合で終わろうとしている。 あのスリップだけでリヴァプールの運命が決まってしまったわけではなかったが、プレミアリーグの歴史に残る運命的な瞬間のひとつであることには違いない。今季も終盤までタイトル争いに加わりながら一歩出遅れてしまったリヴァプールだが、またも優勝に迫りながらタイトルを逃すシーズンとなってしまうのだろうか。
構成/ザ・ワールド編集部