タッピーサンド(12月2日)
学校でとれた自慢の蜂蜜を米粉パンに塗り、「ごんぼコロッケ」を挟む。野菜と卵サラダが彩りを添え、刻んだ漬物が絶妙のアクセントに。郷土色たっぷりのあまじょっぱい味わいがうれしい。二本松実高安達東校舎の生徒が作った「タッピーサンド」だ▼「母校と古里がアピールできる総菜パンを」と、生徒らが生産した蜂蜜と、地元の名物を組み合わせた。先日、道の駅さくらの郷で試験販売し、すぐに売り切れた。商品化は未定だが、若い心意気は客にしっかりと伝わった▼10年前、前身の安達東高時代に養蜂を始め、県内の高校で唯一、ミツバチを育ててきた。優しい風味の「あいさつ坂」「おにばばのなみだ」の商品名で親しまれた。東京都で先月初めに開かれた全国の農業高の収穫祭に出品し、特別賞に輝いた。レストランのレモネードにも使われ、好評を得た▼校舎は来春、3年生20人の卒業とともに52年の歴史に幕を下ろす。養蜂技術は別の学校に引き継ぐ予定だ。今夏には福島明成高生を招いて採蜜し、交流した。「土を愛し 人を愛し」の校訓がしみこむ校舎や農場を惜しむ声がある。利活用する手はないか。愛する地域の未来につながるハッピーエンドに。<2024・12・2>