【大学野球】法大が東大に連勝 ルーキー中村騎士が母の日に「初」づくし
◆東京六大学春季リーグ戦第5週第2日▽法大7―4東大(12日・神宮) 法大が連勝し、勝ち点を2に伸ばした。ルーキーの中村騎士(ないと、1年=東邦)が7番・二塁手で先発し、リーグ戦初出場。1点ビハインドの7回、先頭で回ってきた第3打席に初ヒットとなる遊撃内野安打を放った。 無我夢中に走り、一塁ベースに頭から滑り込んだ。「ここは絶対なんとしてでも出ようって思いでチャンスメイクすることを意識しました」。その思いがチームに伝わり、中村騎のヒットを起点に法大は逆転。8回にも2点を追加し、東大に連勝した。 最初の2打席は凡退。7回裏、3度目のバッターボックスに立った。法大の先発・吉鶴翔瑛投手(4年=木更津総合)が7回に勝ち越しの本塁打を浴びた直後の攻撃。その初球をショートの前に転がした。東大の遊撃手が急いで送球するも、間に合わず。判定はセーフとなり、記念すべきリーグ戦初安打になった。 12日は母の日。前日にスタメンだとわかり、LINEで母・香代子さんに連絡すると「自分なりに頑張ってね」とメッセージが届いた。観戦には訪れなかったが、初安打という吉報を届けた。「お母さんには本当に小さい頃から迷惑を掛けていた。夜遅くまで仕事してくれていたり、洗濯も全部やってくれていたので、そういうところは感謝している。寮生活が大学になって初めてだったので、より強くそういう思いがあります」と母のありがたみを実感していた。 大島公一監督(56)は中村騎を起用した理由として「守備が堅実で、今日もいいダブルプレーをとってくれた。もともと能力があるので、どのタイミングかずっと探っていたところ、今日になった」と説明。この日は攻守にわたって存在感をアピールした。初ヒットのボールは希望すればもらえるというが、「ホームランで」と楽しみを今後にとっておいた。「あと2カード、まだ優勝の可能性が残っているので優勝に向けてチームに貢献できるように頑張っていきたい」と力強く話した。入学して間もないルーキーが、チームの起爆剤になる。(臼井 恭香)
報知新聞社